●こんなお話
ぐにょぐにょの寄生生物がひたすらメッセージを訴える話。
●感想
山崎監督作品らしいCGを効果的に使ったアクションシーンはさすがの迫力でした。ハリウッド映画の延々と続く膨大な人数に比べると本作のスタッフロールの短さに驚きました。日本のCGのレベルの高さがわかる作品でした。
ところがお話の方は、2部作にする必要があったのか? という内容の薄さだと思いました。
主人公は前作で愛する人を傷つけられた主人公が寄生生物に復讐するという行動の動機になったところで終わりますが。後篇では主人公はその動機で動くのは最初だけで、ほとんどリアクションのみの徹するだけで魅力が無くなってしまっているように思えました。
寄生生物たちも人間に対する意見がわかれますが、そもそも寄生生物がなにをしたいのかわからなかったです。人間を食べる。という動機ではなかったのかな? と思ってましたが、主人公のことは放置プレイ。かと思えば、襲って来たりするけど。それも適当。
寄生生物のリーダーである深津絵里さんは一体何をしたかったのだろう? と疑問でした。
そして何より、キャラクター全員が自分の気持ちをひたすら語るというのがダルかったです。棒立ちで「人間とは」「寄生生物とは」を語りはじめます。
正直、人間が1番暴力的。みたいなメッセージは語り尽くされていて新鮮さに欠けると思いました。
延々とメッセージを主張して、アクションが始まり。終わったと思ったら、また話し始めて音楽がたらーっと流れ始める。早く次行ってよ、と冷たい目線になってしまいました。
キャラクターの退場の仕方も雑で、殺人鬼の新井浩文さんはどうなったんだろう? 刑事の國村準さんの退場の仕方はギャグなのだろうか? 浅野忠信さんは何がしたかったんだろう? 何で主人公だけ狙うのだろう? 人間を食らい尽くせというのなら、他の人間は何故狙わないんだろう? 北村一輝さんはなぜ寄生生物側に立ったのだろう? 橋本愛さんは、何でいきなり性欲が前に出てきたんだろう? 大森南朋さんは、何でライターとティッシュペーパーとゲームを買うだけで火事になって消化されて鑑識とかが来るまで時間かかったのだろう? 深津絵里さんの赤ん坊をどうやって誘拐したんだろう? ミギーが他の寄生生物より一枚上手なのは何でなんだろう?
放射性物質でうんぬんの決着が偶然過ぎるのはいいのだろうか?
と気になる点がいっぱいで入り込めなかったです。
みんなが真剣10代しゃべり場みたいに自分の気持ちを喋らないと他人に伝わらないのかなと疑問に感じてしまって、個人的に喋らずとも画面だけで説明してくれる映画が好きなんだなと改めて勉強させてくれる映画でした。
☆☆
鑑賞日: 2015/04/25 イオンシネマ多摩センター 2016/10/22 Blu-ray
監督 | 山崎貴 |
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脚本 | 古沢良太 |
山崎貴 | |
原作 | 岩明均 |
出演 | 染谷将太 |
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深津絵里 | |
阿部サダヲ | |
橋本愛 | |
東出昌大 | |
大森南朋 | |
北村一輝 | |
余貴美子 | |
ピエール瀧 | |
新井浩文 | |
國村隼 | |
浅野忠信 |
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