映画【GAMER-ゲーマー-】感想(ネタバレ):近未来アクションと人間ドラマが交差するゲームの世界

gamer
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●こんなお話

 無実の罪を着せられた男がゲームの世界で頑張る話。

●感想

 死刑囚たちがゲームに参加することを条件に自由を得ることができる未来社会。その世界で主人公は、数々の危険なゲームに身を投じながら、生き延びることで釈放のチャンスを積み上げていた。ゲームを設計したのは、これによって莫大な富を築き上げた開発者で、テレビ番組などにも登場してはキャスターからゲームの倫理性を問われていた。

 一方で、ゲームそのものに異を唱える地下組織が活動しており、彼らは密かに反対運動を展開していた。物語は、護送中の主人公が謎の人物に声をかけられ、血液を採取されるという場面からさらに動きを見せていく。彼の妻は、ゲーム内でキャラクターとして操作されており、現実では養子に出された自分たちの子どもを取り戻そうと苦闘していた。

 やがて現れる天才的な少年ハッカーが、主人公を遠隔から操ることでゲームを次々に勝ち抜かせることに成功する。主人公はゲームフィールドの外へと脱出し、ついに妻との再会を果たす。反ゲーム組織と合流した彼らは、ゲームの支配者である開発者に立ち向かうことを決意する。クライマックスでは、主人公が操作されるという窮地に陥りながらも突破し、ゲームに縛られていた人々を解放して物語は収束していく。

 冒頭のアクションシーンは迫力があり、視覚的な見せ方も非常に洗練されていて、これから何が起こるのかという期待感を大きく高めるものでした。出だしからしっかりと観客の心を掴む演出には感心しました。

 ただ、その後はテンポがやや落ち着かず、世界観の説明に割かれる時間が増えてまいりますが、その説明自体がやや抽象的で、設定を十分に理解するには少し難しかったように感じました。主人公が戦っている相手が誰なのか、味方と思われる人物たちがなぜ味方なのかといった背景も、映像だけでは把握しきれない部分が多く、物語への没入が難しく感じられました。

 登場人物たちの心情に深く入り込むような描写も少なく、特に家族を救うために動く主人公や、ゲームに囚われてしまった妻の描かれ方にはもう少し厚みが欲しいと感じてしまいました。それぞれの人物がどんな想いを抱えて行動しているのかが、もう少し伝わってくると物語の深みも増していたように思います。

 映像面では、終始強い光と切り替えの速い編集が目立ちましたが、観ていてやや疲れてしまうような印象も受けました。刺激的な映像演出としては効果的ではありますが、少しだけ抑えたテンポでも良かったのではと感じます。

 全体として、アクションを中心にしたエンターテインメント作品としての意欲は伝わってまいりましが、物語の構造や登場人物たちの描写に、もう少し丁寧な仕上がりが加わると、より没入感が高まり、多くの方に印象深く届く作品になったのではないかと感じました。

鑑賞日:2011/04/24 DVD 2025/07/10 Amazonプライム・ビデオ

監督マーク・ネヴェルダイン 
ブライアン・テイラー 
脚本マーク・ネヴェルダイン 
ブライアン・テイラー 
出演ジェラルド・バトラー 
マイケル・C・ホール 
アンバー・ヴァレッタ 
ローガン・ラーマン 
テリー・クルーズ 
リュダクリス 
キーラ・セジウィック 
アリソン・ローマン 
ゾーイ・ベル 
ジョン・レグイザモ 
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