●こんなお話
いつも通り、ゾンビやらその他と殺し合いをしたりする16話。
●感想
前シーズンで強大な敵が姿を消してしまったことで、今シーズンは仲間同士の考え方や価値観の違いから起こる対立が物語の大きな軸となっています。終末世界のゾンビものとしての要素も各エピソードで描かれていますが、正直なところ対話や会話が多くて展開がゆったりしすぎ、やや退屈に感じる場面も少なくなかったです。さらに相変わらずナイトシーンは暗すぎて何が映っているのかよくわからないこともマイナス要素でした。
前半の中心人物であるリックのパートでは、前シーズンから続く罪と罰や文明の成り立ち、ルールや憲法といったテーマが深く掘り下げられ、人間が社会を築く難しさをじっくり描いていたと思います。中盤に差し掛かると新たな敵「ウィスパーズ」との対立が本格化し、これまでの主要キャラクターたちが次々に退場していくため、全体的に悲しみや重さが漂うヘヴィーな展開が続きます。
また、少年ヘンリーの描写にかなり時間が割かれているが、彼は自由奔放に飛び出してトラブルを起こす役回りで、観ている側としてはイライラさせられることが多かったです。さらに、王国と契約して外を警備する謎の一団「ハイウェイマン」もあっという間に登場して消えてしまい、キャラクターの掘り下げが不十分で印象に残りにくかったり。
今シーズンの注目点としては、ウォーカーの定義を覆す新たな敵が登場し、物語に新しい刺激と展開のブーストがかかっていることで。これに対抗して最恐キャラだったニーガンがジュディスの疑似父親役にシフトチェンジし、新たな魅力を放っているものの、やはり彼の存在に触れるたびにグレンのことを思い出してしまい、視聴者としては複雑な感情になる部分もありました。
これまでのシリーズは役者の契約などの都合で夏場のシーンが中心でしたが、今シーズンでは初めて冬の描写が加わり、寒々しい冬のゾンビ戦が新鮮でした。ただ、やはり暗くて何が起きているのか見づらいシーンが多かったのは残念な点。
全体としてはマンネリ化の兆しも見えるものの、ストーリーの深みやキャラクターのやりとりが気になってつい見続けてしまう、そんなシーズンでした。
☆☆☆
鑑賞日:2019/10/31 NETFLIX 2021/02/22 NETFLIX
出演 | ノーマン・リーダス |
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メリッサ・マクブライド | |
ダナイ・グリラ | |
ロス・マーカンド | |
ポリアンナ・マッキントッシュ | |
カラン・マッコーリフ | |
アラナ・マスターソン | |
ジェフリー・ディーン・モーガン | |
サマンサ・モートン | |
ジョン・バーンサル |
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