映画【誘拐】感想(ネタバレ)

Yukai (1997)
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●こんなお話

 ある企業の常務が誘拐されて3億円を要求される。犯人は全マスコミに身代金受け渡しを中継するように命じて、受け渡し人に企業の重役たちを指名する。ベテラン刑事とアメリカ帰りの若手刑事が犯人に迫っていく話。

●感想

 何と言っても東京都庁であったり新宿のガード下だったり歌舞伎町を何百人もの人たちがわらわらと集まる群衆シーンの迫力が凄くてそれだけでもこの映画の価値はあると思いました。
 重役が誘拐されて犯人の言いなりに身代金を運ぶ。けれども案の定、身代金は奪われて人質も返ってこない。そこまでが中盤、そっから犯人探しと動機がわかっていくまでの後半。

 刑事ものの王道の展開で、警察を翻弄して目的や動機がわからない謎の前半と犯人に迫る後半と見やすくはありますが、いかんせんいくら迫力のある身代金受け渡しの映像でもだいぶ長くて、何人ものおじさんたちが息も絶え絶えになる映像を長いこと見せられるのも結構きつくなってきます。
 そして後半から何故この会社の重役たちが狙われたのか? がわかってきますが、このあたりは社会の正義と刑法の狭間に揺れる刑事たちの葛藤として社会的テーマとして面白い設定でした。

 けれども、主人公たちの捜査は結構偶然で犯人につながるキーワードがたまたま落ちてた書類を拾ったら「こいつは!」となって真相がわかったりとかあんまり面白味を感じられませんでした。
 それに案の定、この手の作風では真犯人がラストに自分たちがいかにひどい目に遭ってきたのかをつらつらと語りはじめちゃうという。ここがだいぶ長いです。全部セリフで説明していくのを聞かされる辛さ。
 
 とはいえ、渋い男たちが駆け回る無難に楽しめる100分間でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2014/02/28 Hulu

監督大河原孝夫 
脚本森下直
出演渡哲也 
永瀬正敏 
酒井美紀 
柄本明 

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