●こんなお話
朝鮮半島が統一された近未来で連続殺人とか遺伝子とかいろいろごちゃごちゃした話。
●感想
冒頭から日本向けに天地人についての解説テロップが流れます。これが異様に長くて、序盤の段階で観客の集中を削いでしまうような印象を与えてしまったと思います。そのうえで提示される説明を理解したとしても、結局どのような世界観なのか腑に落ちることは少なく、舞台設定に入り込むのは容易ではなかったです。
物語の基盤には近未来SFというジャンルが置かれています。ですが、SFらしい仕掛けやガジェットが際立っているわけではなく、舞台を近未来にする必然性が伝わりにくかったです。画面全体を覆う暗いトーンも相まって、登場人物の顔や名前を判別するのが難しく、チームの誰かが撃たれたり命を落としたりしても、その緊張感や喪失感が観客に伝わりにくかったです。
主人公の息子が命を落とすという衝撃的な冒頭から、彼がその悲しみを乗り越えていく姿を描くのかと思えば、突然「遺伝子」をめぐる話に展開し、さらには誘拐事件を追う刑事ものの要素が重なっていく。テーマやジャンルが次々と切り替わるため、誰が何をしているのかという根本的な部分が曖昧になり、理解に苦しむ場面が多かったです。監督の作家性が強くにじみ出た作品であり、一般的なアクションエンターテインメントとはまったく別の方向に向けられた映画になっていました。
重厚な世界観を提示しようとする意欲や、観客を突き放してでも独自の表現を追求する姿勢は感じられました。ただ、その中で物語の軸を見失いやすく、ストーリーを追う楽しみよりも映像そのものの質感や空気感をどう受け取るかに重きが置かれた作品に見えました。そうした意味で、この映画をどのように楽しむかは観客の受け取り方に大きく左右されるものだと感じます。
☆
鑑賞日: 2019/04/07 DVD
監督 | チョン・ユンス |
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脚本 | チョン・ユンス |
出演 | キム・スンウ |
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キム・ユンジン | |
チェ・ミンス | |
キム・ソナ |
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