●こんなお話
さすがアメリカ、人種のサラダボウルなガンマンたちが街を牛耳る悪漢と戦争する話。
●感想
ガンアクション、戦争アクションとしてはさすが現代性で迫力ある戦闘シーンがクライマックスにあってすごかったです。あのアクションを作った技術スタッフさんたち最高の仕事をしていたと思います。
ただ単純に娯楽映画として主人公を始め仲間たちに魅力が全くないので失敗していると思いました。いくら派手なアクションがあっても何のエモーションも動くことはなかったです。
【七人の侍】や【荒野の七人】で1番面白い仲間集めの前半ですが、リーダーのデンゼル・ワシントンが「あそこにあいつがいるから連れてこい。オレはあそこに誰と会いに行く」と言ってその場にいたガンマンをスカウトするだけ。それぞれの背景は全く描かれません。そのため何で勝ち目のない戦いに挑むことになるのかという肝心の動機が全くわからなかったです。ネイティブ・アメリカンなんてどうして一緒に行動しているのかわからなかったです。【七人の侍】にあった「この飯、おろそかには食わんぞ」の精神が全くなかったです。
イーサン・ホーク演じる南軍の英雄もPTSDに悩まされて銃を撃てない。という面白そうな役だったのに、いつの間にか狙撃の腕が戻ってました。あの銃を撃てないっていうのは何だったのだろう。そして敵がやってくるとわかって逃げ出してしまいますが、クライマックスで戻ってくるという美味しい行動なのに、なぜ戻ってきたのかもわからないという。かっこよく途中参戦しても盛り下がるだけのキャラクターでした。
デンゼル・ワシントンもまさかの個人的な恨みでカタキ役を倒そうとしていたのが最後にわかって小者感いっぱいでした。クライマックスの戦闘でも1番地味な感じでどこにいたのかわからなかったです。
街の人たちとの協力もすごくいい加減で、ガンマンたちが訓練をするシーンが軽く描かれるだけで、全く的に当たらない銃の扱い方だったけど。これまたなぜかクライマックスではみんな勇猛果敢に戦ってるのが興ざめに感じてしまいました。
クライマックスの戦いもあんまり作戦とかわからず、ただお互い撃ちまくるだけにしか見えないのも盛り上がりに欠けました。【七人の侍】であった「残るは13騎、これはすべて村に入れる!」というサスペンスとかもまるでなく。敵の軍団が攻めてきて、向こうに何人いてこちらは何人いてどうやってそれを打ち負かすのかという面白さは皆無で、ひたすら撃ちまくるだけ。そのため、いつの間にかめちゃくちゃたくさんいたカタキ役たちが気づいたらボス1人だけでおろおろしているのも謎でした。
【七人の侍】【荒野の七人】の精神性はまるで描けていないのにクリス・プラットにマックイーンの口癖の「So far so good」を喋らせても余計にテンションが下がってしまいました。クリス・プラットも何の役回りなのかよくわからなかったです。
とはいえ、爆破や銃撃は大迫力で凄いし。ヒロインのヘイリー・ベネットがエロくてよかったですが。名作をリメイクするなら個性豊かな七人がいて、子ども好きがいたり陽気な奴がいたりナイフ使いがいたりと魅力的なキャラクターが大金のためなのか女性のためなのか友情のためなのか、しっかり描いてほしかった映画でした。
☆☆☆
鑑賞日: 2017/01/29 川崎チネチッタ 2017/08/10 Blu-ray
監督 | アントワーン・フークア |
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脚本 | ニック・ピゾラット |
出演 | デンゼル・ワシントン |
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クリス・プラット | |
イーサン・ホーク | |
イ・ビョンホン | |
ヴィンセント・ドノフリオ | |
ピーター・サーズガード | |
ヘイリー・ベネット |
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