映画【ディザスター・アーティスト】感想(ネタバレ):映画作りの裏側を描く独創的な作品

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●こんなお話

 映画作りの文法とかわかってないけど、パッションで人の心を動かさせる映画を作っちゃった人の話。

●感想

 冒頭、舞台で無茶苦茶な英語の発音でお芝居を披露する主人公の姿が映し出される。その独特なパフォーマンスに観客は惹きつけられ、さらにもう一人の主人公もその魅力に引き込まれ、共に映画作りに取り組むことになる。映画作りの舞台裏を眺めるだけでも楽しさが伝わるが、主人公の素性は謎に包まれ、年齢や出身も明かされない。しかも裕福な家の出身で、映画制作のために惜しげもなく資金を投入する様子は見ていて気持ちが良い。彼の自由奔放で魅力的なキャラクターは、画面に釘付けにさせる力を持っている。

 映画の中盤では、主人公たちの映画作りが本格化し、周囲の登場人物や観客も状況を理解しきれないまま物語は進行する。主人公は徐々に「裸の王様」として振る舞うことになり、自身の意図に反して映画内で笑われる場面も訪れる。観客として笑いながら見ていたはずが、いつの間にか感動している自分に気づく瞬間もあり、ユーモアと感情の揺れが巧みに描かれている。

 ラストに向かうと、この映画の見どころは映画内映画と実際の映画の精巧な比較。映画内で作られた映像と本編の映像が見事に重なり、巧妙に練られた演出が観る者に驚きと喜びを提供していく。この仕掛けにより、映画作りの楽しさや芸術性が一層際立って伝わり、観賞後も余韻が残る作品となっていると思いました。全体として、主人公の魅力と独創的な映画表現が楽しめて、軽快で贅沢な時間を提供する作品だと思いました。

☆☆☆

鑑賞日:2019/06/25 Netfilx

監督ジェームズ・フランコ 
脚本スコット・ノイスタッター 
マイケル・H・ウェバー
出演ジェームズ・フランコ 
デイヴ・フランコ 
セス・ローゲン 

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