●こんなお話
BC級戦犯裁判に裁かれる男の話。
●感想
床屋さんが家族と平和に過ごしていて近所の男の人が出征していて戦争が身近になっている。とうとう主人公にも赤紙が届いて、今後の事を考えて丸坊主にして主人公夫婦が出会ったり主人公が床屋さんをクビになって流浪の旅をして土佐までたどり着くまでが描かれます。
そして軍隊に入って上官から理不尽な命令を受けても戦友と一緒に殴られたりして、空襲があって司令官が燃える街に怒りを覚えている中、爆撃機の乗組員が落下傘を目撃したので「捜索して適切に処置せよ」という命令を下して、現地部隊の大隊長中隊長小隊長たちが命令をくだしていって乗組員を発見してもう命が短いと判断して主人公たちに刺突せよということで主人公が嫌々やろうとする。
戦後になって床屋復帰している主人公の元に憲兵がやっていて逮捕されて巣鴨プリズンへ。何が何やらの主人公だったけど、裁判が始まっていまいち通訳とか日本軍の思想が理解されずにもどかしい。そして主人公に死刑判決を受けてショック。
死刑囚の刑務所に行って同じ房の人と会話したりするけど連れていかれたり、司令官が声をかけてくるけど断る主人公だったけど、1回会って司令官は自らの罪は全部被るけど部下たちは無罪であるという考えを話したり。助命嘆願をするべしという流れになったり、奥さんが汽車や船を乗り継いで池袋駅まで来て主人公に会いにきて署名活動をすることにする奥さん。
雪深いところを歩いて200人だかの署名を頑張って集めるモンタージュがあったりして、主人公も大統領あてに手紙を書いて流れが死刑にはならないという感じになるけど、主人公が房を移動すべしということになって出ることになったと喜んでいたら死刑執行を言い渡される。
ショック状態のまま「来世は私は貝になりたい」と手紙を残して死刑執行でおしまい。
戦時中の上官の命令は当然、絶対で仕方なく従っただけなのに、突然の理不尽な裁きによって追い詰められていく悲劇でが見られるものでとてもよかったです。
刑を言い渡された後は、ひたすら巣鴨プリズンで待機の状態になる主人公ですが、事件の司令官、死刑執行となる同じ房の人、そして身の回りの解説をしてくれるに西沢さん。その人たちの行動で主人公と一緒に一喜一憂できたので。とてもよかったです。
オリジナル版になかった奥さんの助命嘆願を200人集めるモンタージュは、日本の四季を織り交ぜることで。ずっと独房の映像ではなく、外の景色が観れたのは。これがあったことで、逆に長く感じてしまいました。
第2幕が終わる116分あたりから、さっきまで大きな音楽が流れっぱなし状態から一転、主人公と牧師さんの静かな会話になったのがよかったです。そして最後の最後のショック状態の中居正広さんの目のいっちゃってる感がホラー映画のような怖さだったと思います。
ただ、全編に渡って音楽が延々と流れるのが気になってしまって個人的にはノイズになってしまいました。
とはいえ、130分という長い時間ですが。爆撃シーンや焼け野原の東京等、迫力ある映像の効果もあって飽きることなく、主人公が助かる事を願えるような映画になっていたと思います。
☆☆☆☆
鑑賞日:2009/10/02 DVD
監督 | 福澤克雄 |
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特撮監督/特技監督 | 尾上克郎 |
脚本 | 橋本忍 |
原作 | 加藤哲太郎 |
出演 | 中居正広 |
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仲間由紀恵 | |
柴本幸 | |
西村雅彦 | |
平田満 | |
マギー | |
加藤翼 | |
武田鉄矢 | |
伊武雅刀 | |
片岡愛之助 | |
名高達男 | |
武野功雄 | |
六平直政 | |
荒川良々 | |
泉ピン子 | |
浅野和之 | |
金田明夫 | |
山崎銀之丞 | |
梶原善 | |
織本順吉 | |
笑福亭鶴瓶 | |
草なぎ剛 | |
上川隆也 | |
石坂浩二 |