映画【ターミネーター:ニュー・フェイト】感想(ネタバレ):新たな未来へ進むターミネーター新章

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●こんなお話

 何度壊してもいつも通り機械VS人類になって追いかけっこになる話。

●感想

 『ターミネーター2』の危機を乗り越えた1998年、サラ・コナーと若いジョン・コナー。スカイネットの誕生を阻止したことで、新たな戦いは訪れないはずだったけど、スカイネットが消滅する前に送り込んでいた別個体のT-800が姿を現し、ジョンを射殺する。サラはその場で過去も未来もすべてを奪われ、ただひとり残される。

 年月が過ぎ、メキシコ・シティの工場で働く若い女性ダニー・ラモスの日常に未来から送り込まれた新型ターミネーターREV-9が彼女を追う。液体金属と内骨格が分離し、二つの存在のように行動できる機体で、その動きは執拗で迷いがない。ダニーを守るため未来からやってきたのはグレースという女性兵士で、彼女の身体は人間を基盤に機械的強化を施すことで戦闘能力を引き上げた“サイバー強化兵士”だった。スカイネットの消滅後、人類が新たなAI「リージョン」と戦う未来が生まれており、ダニーはその未来の中で重要な存在となっていた。

 REV-9の追撃は止まらず、街中を駆け抜けるように逃走が続く。高速道路で絶体絶命の場面を迎えた時、年老いたサラ・コナーが姿を現し、重火器でREV-9を吹き飛ばす。彼女は20 年にわたり謎の人物から送られてくる“ターミネーター出現地点”の情報を頼りに破壊を続けていた。やがて3人は、その発信源を求めて山奥へ向かい、隠れて暮らすT-800を訪ねる。
 

 その個体こそ、ジョンを殺した当のT-800であり、任務後に目的を失った彼は、人間の模倣を重ねながら慎ましい生活を送り、家族を持ち、罪の重さと向き合い続けていた。彼は「カール」と名乗り、豊かな感情を少しずつ身につけていた。サラは心の底からの憎しみを抑え切れないが、ダニーを守るため協力を選び、四人の共闘が始まる。

 未来で何が起きているのかが詳しく分かるにつれ、ダニーの存在が戦争を左右する重要な鍵となっていることが明らかになる。彼女こそリージョンに抗う人類抵抗軍の指導者となる人物であり、その芽を摘もうとREV-9が送り込まれていた。
 最終決戦の場となる水力発電所で、ダニー、サラ、グレース、そしてカールはREV-9との決着に挑む。REV-9の再生能力に追い詰められながらも、グレースは自分の強化電源をダニーへ託し、REV-9を止めるため自らの命を差し出す。ダニーはその電源をREV-9に突き刺し、カールが全身で抑え込みながら溶鉱炉へ落下し、二体は沈んでいく。カールは静かに機能を止め、戦いは終わる。

 サラはまだ幼いグレースと未来で出会い、これから戦士となる彼女を支えることを心に決める。ダニーと共に車を走らせてどこかにむかっておしまい。


 2019年らしいデジタル表現をふんだんに使い、ロボット同士のぶつかり合いに迫力があり、特に冒頭の高速道路での攻防は視覚的な勢いが強く、シリーズファンとして一気に気持ちを引き上げられました。初めてREV-9が動く場面のスピード感も鮮烈で、アクションとしての見どころはしっかり楽しめた印象です。

 ただ、個人的には序盤の盛り上がりの後、物語の軸がやや散漫になったように映りました。ダニーがなぜ狙われるのかという重要な点が序盤では薄く、登場人物同士の関係がすぐに深まっていく流れも、背景を知る前に気持ちだけが先行してしまうようで、物語の積み重ねを味わいにくかったです。説明が入るとテンポが止まり、感情の動きと物語の流れが噛み合わない瞬間も多く感じました。

 シリーズ全体の構造に関しても、ジョン・コナーを救った意味が失われてしまう新しい時間軸が提示されることで、これまで築かれた物語の重さが軽く見えてしまい、少し戸惑いがありました。ターミネーター作品特有の時間のループについて考えるほど、物語の必然性が薄まってしまうように感じられた部分もあります。

 T-800の登場も、かつての無骨な存在感から一転し、家族を得た“カール”としての姿は意外性がある反面、シリーズの中で積み上げられたイメージが薄れてしまうようにも感じました。キャラクターとしての魅力よりも“設定の意外性”が前面に出てしまい、ドラマの力強さにつながっていない印象があります。

 REV-9に関しても、かつてのT-1000の衝撃的なビジュアル表現ほどの新しさがなく、能力そのものは強力でも、恐怖や異質さといった魅力があまり残らなかったです。戦いの舞台が次々とスケールアップしていく一方で、人物たちの戦術や知恵が活かされる場面が少なく、ただ逃げ続けてその場しのぎで戦う展開が続くので、終盤の大決戦も大きな驚きより消耗感のほうが強くなりました。

 シリーズのテーマである“AIと人類の戦い”が別の形で始まる設定自体は興味深いのですが、物語としての落としどころが定まっていないように見え、どこへ向かっていくのか想像がつきにくい余韻が残りました。それでもところどころにシリーズらしい息遣いがあり、過去作を思い出しながら観る楽しさもありました。

☆☆☆

鑑賞日: 2019/11/11 TOHOシネマズ日比谷 2020/12/14 Blu-ray 2025/12/02 Amazonプライム・ビデオ

監督ティム・ミラー 
脚本デヴィッド・ゴイヤー 
ジャスティン・ローズ 
ビリー・レイ 
ストーリージェームズ・キャメロン 
出演アーノルド・シュワルツェネッガー 
リンダ・ハミルトン 
マッケンジー・デイヴィス 
ナタリア・レイエス 
ガブリエル・ルナ 
ディエゴ・ボネータ 
エドワード・ファーロング 

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