映画【RONIN】感想(ネタバレ):謎の美女と銀色のケース、裏切りと銃声が交差するスパイアクション

ronin
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●こんなお話

 フリーランスの男たちが銀色のケースを巡ってカーチェイスしたり銃撃戦したりする話。 

●感想

 謎めいた美女に集められた腕利きの男たちが、まずは武器を調達するところから物語が始まる。それぞれが確かな腕前を持っていて、最初の段階から手慣れた雰囲気が漂っている。彼らに課された仕事は、中身の明かされない銀色のケースを強奪するというもの。互いに多くを語らず、ただ任務に集中しているようにも見えるが、当然ながらそう単純に進むはずもなく、計画は思うように進まなくなっていく。

 銃撃戦やカーチェイスといったスパイアクションの醍醐味をきちんと盛り込みながら、裏切りや駆け引きといった要素も随所に配置されていて、ジャンル作品としては非常に手堅く作られている印象を受けました。特にフランスの石畳を舞台にしたカーアクションの迫力や、重量感ある銃撃戦など、観ていて手に汗握る場面も多く、アクション映画として楽しめる2時間だったと思います。

 ただ、物語全体を通して、登場人物の背景や行動の動機があまり描かれていないように感じました。なぜこの仕事を引き受けたのか、どういった過去を背負っているのかといった人間的な部分がほとんど語られないため、深く感情移入するというよりは、ある程度の距離をもって眺めるような感覚で観てました。

 ジャン・レノ演じる男が、なぜそこまで主人公に対して親身に接するのか、その理由が見えてこないまま物語が進んでいくのも、少し引っかかる点だったと思います。また、電子機器担当の男が突然ある行動に出る場面も、その伏線や心理描写が控えめだった分、唐突さを覚えました。銀色のケースの中身にどれほどの価値があるのかも語られず、物語の核となる部分がやや空白になっていた印象も受けました。

 強奪作戦の進行も、計画の綿密さや、各メンバーの特技を活かした描写がもっとあれば、チームものとしての面白さも増していたのではないかと感じます。とはいえ、そうしたディテールの部分よりも、画面に広がるアクションのテンポや映像の勢いを楽しむ作品であると考えれば、十分に魅力のある一本だったと思います。何も考えず、ひたすらアクションと音を味わう作品として、テンポよく楽しむことができました。

☆☆☆

鑑賞日: 2017/08/31  Amazonプライム・ビデオ

監督ジョン・フランケンハイマー 
脚本ジェイ・ディー・ザイク 
リチャード・ウェイズ 
出演ロバート・デ・ニーロ 
ジャン・レノ 
ナターシャ・マケルホーン 
ステラン・スカルスゲールド 
ショーン・ビーン 

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