映画【ゴールド/金塊の行方】感想(ネタバレ):投資と裏切り、情熱の果てに──波乱に満ちた実録ドラマを追う

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●こんなお話

 金塊を何とか発見しようとして頑張ってお金儲けをしようとしたけど実は…な話。

●感想

 主人公の持つバイタリティと行動力に引っ張られるように、物語は非常に激動の人生を描き、終始目が離せませんでした。次から次へと立ちはだかる困難に挑みながらも、その熱意に心を動かされる部分は多々あり、決して退屈することはありません。ただ、実録映画としてのリアリティと娯楽作品としてのエンターテインメント性のどちらも求められているためか、両者のバランスが少しあいまいになっている印象を受けました。

 物語の中盤までは、何をやってもうまくいかず破産寸前の主人公が、ある日出会った地質学者の理論に人生をかけて投資し、共に金脈を探し当てようと奮闘する様子が描かれます。命がけの探鉱の旅や投資銀行の買収の陰謀など、数々の危機が次々と襲いかかる中で、主人公の執念ともいえる行動力が強く印象に残りました。そのため、そうしたドラマチックな展開にはつい引き込まれてしまいます。

 しかしながら、信じていた地質学者の裏切りという驚きの展開があり、物語の結末は意外な方向へと向かいます。このラストシーンについては、実話をもとにしているのか、それとも脚色された創作部分が混じっているのか判断がつかず、見終わった後に少しもやもやした気持ちが残りました。もう少し鮮明に結末が描かれていたならば、より深く心に響いたのではないかとも感じます。

 また、主人公の情熱の源泉や彼が何に強く惹かれて行動しているのかが、登場してから最後まで明確に伝わらなかったため、観客としては共感しきれずに物語についていけない部分もありました。この点が作品に乗り切れない要因の一つだったように思います。

 とはいえ、実話をモデルにした作品であることの強みはしっかりと感じられます。なぜ多くの人々が騙され、ここまでの騒動に巻き込まれたのか、その仕組みや人間の心理に触れる楽しみがありました。そういった意味で、実録ドキュメンタリーとエンタメ映画の中間に位置する本作は、気軽に楽しみながらも考えさせられる部分もある映画と言えます。

☆☆☆

鑑賞日: 2018/03/05 DVD

監督スティーヴン・ギャガン 
脚本ジョン・ジンマン 
パトリック・マセット 
製作総指揮ポール・ハギス 
出演マシュー・マコノヒー 
エドガー・ラミレス 
ブライス・ダラス・ハワード 
コリー・ストール 
トビー・ケベル 

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