映画【映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争】感想(ネタバレ):小さな宇宙人と大きな友情――ドラえもんたちの星を越えた冒険

Doraemon: Nobita's Little Star Wars (1985)
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●こんなお話

 小人の宇宙人が地球に逃げ込んで独裁者の宇宙人と戦う話。

●感想

 のび太はスネ夫やジャイアンと一緒に自主映画を作っていたが、撮影中にうっかりセットを壊してしまい、2人から仲間はずれにされてしまう。悔しい気持ちを抱えたのび太は、ドラえもんとふたりで新たな映画づくりを始めることにする。そんなとき、スネ夫たちが出木杉くんと組んで撮影していることを知り、のび太たちはしずかちゃんを仲間に誘う。

 しかし、しずかちゃんが監督となって撮る映画はかわいらしい雰囲気の作品で、のび太にとっては物足りなく感じてしまう。そんな中、ドラえもんのひみつ道具で人形たちを動かして映画を撮影していたが、そのうちの一体であるウサギのロボットが姿を消してしまう。のちに、そのロボットがのび太の家に戻ってきていることが分かる。

 実はそのウサギのロボットを使ってやって来たのが、パピという小さな宇宙人だった。彼はスモールライトで小さくなった状態で、のび太たちとドールハウスの中で楽しいひとときを過ごす。そんな中、スネ夫たちの撮影現場に突如として小さなクジラ型の宇宙船が現れ、攻撃を仕掛けてくる。スネ夫とジャイアンは、ドラえもんの道具が暴走していると勘違いし、のび太たちのもとへ殴り込みをかける。

 だが、実際にはそれはパピを追って地球にやってきた軍隊だった。軍は偵察用のロボットを大量に送り込み、しずかちゃんがミルク風呂に入っているところを襲撃して連れ去ってしまう。パピは実は母星の大統領であり、クーデターを起こした勢力に追われているという事情を語る。これ以上の迷惑はかけられないと自ら出頭するが、ドラえもんたちはそれを止めようと後を追う。

 パピを乗せた宇宙船は、クーデター軍のギルモア将軍のもとへと向かう。のび太たちはスモールライトで小さくなったままパピリカ星へと旅立ち、軍の支配下にある都市で監視の目をすり抜けながら、レジスタンスの協力を得て救出作戦を実行する。一方、地球で留守番をしていたしずかちゃんとスネ夫も、無人機の襲撃を受けて戦いの恐怖を体感するが、なんとか立ち向かっていく。

 物語の中盤以降では、頼りにしていたひみつ道具が次々に使えなくなっていき、のび太たちは小さな身体のままで困難に直面することになる。それでも彼らは希望を捨てず、囚われたパピを助け出すために奮闘するがみんな捕まってしまう。

 絶体絶命の中、スモールライトの効果が切れたことにより、のび太たちは本来の大きさへと戻り、形勢を逆転。圧倒的な力でクーデター軍を制圧する。その後、パピは再び大統領として迎えられ、平和を取り戻す。のび太たちは地球へと帰還し、再びパピに会いに行くことを心に誓いながら日常へ戻っていく。

 この作品では、序盤に描かれる子どもたちの映画作りの様子がとても微笑ましく、セットや撮影へのこだわりに小学生らしい創意工夫があって素敵でした。スネ夫が徹夜で作った戦車のプラモデルが、終盤の戦いでしっかりと活躍する流れも気持ちがよく、工作の楽しさとロマンが詰まっていたと思います。

 また、スネ夫が戦いに巻き込まれて怖がりながらも、自分なりに踏ん張ろうとする姿がとても印象的で、人間味にあふれていました。しずかちゃんのミルクのお風呂がお肌にいいんだと勉強になりました。全体を通して、仲間と力を合わせて困難を乗り越えていく過程がしっかりと描かれていて、安心して楽しめる内容でした。

☆☆☆

鑑賞日:2025/06/29 Amazonプライム・ビデオ

監督芝山努 
監修楠部大吉郎 
脚本藤子不二雄 
原作藤子不二雄 
出演(声)大山のぶ代 
小原乃梨子 
野村道子 
たてかべ和也 
肝付兼太 
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