●こんなお話
不老不死の浪人が父親を殺された娘さんが、その相手を殺してくれと依頼していくうちにいろんな刺客たちと戦う話。
●感想
冒頭の白黒映像の中の何十人といる相手と戦う乱戦があって、死の間際に謎の魔女みたいな老婆から不老不死の身体にさせられるツカミはよかったです。興味を持ってみることのできるスタートでした。
夕飯を食べてる途中に道場にずらっと並んで現れた刺客集団に両親を殺されたヒロインがリベンジを誓ってたら、ここでも魔女みたいな人に主人公を紹介されて主人公と一緒に過ごすことになる。原作を読んでいないのでわからないのか、あの老婆は何者で主人公はなぜ不老不死になったのか映画を見ただけではわからなかったです。何で主人公が選抜されたのか。もう1人、不老不死の男が出てきてましたが、あの人も何のために出てきたのか謎でした。
終始、この映画は謎な展開が多くて、しかも全員が自分の気持ちをゆっくりと喋るので長い上映時間になってしまっていると思いました。冒頭の白黒の時代で描いたのに、主人公が身の上話を始めてまたその白黒映像が流れたりして何回同じシーンを見せられるのだろうとグッタリしてしまいました。
カタキ役たちの刺客集団もどうやら立身出世したいらしく幕府の偉い人たちと話し合っているのが描かれていきますが、この剣客集団も本当の悪役ではなく、幕府の軍勢が悪い人たちとしてクライマックスで戦うので、主人公とヒロインの目的はボヤけちゃうし。何でこの人たち戦っているのだろう? と疑問のままの殺し合いでした。さらにそこに主人公に恨みを持つチンピラみたいのも乱入してきたり、それぞれの思惑が入り乱れすぎちゃってわかりにくさ感情移入できにくい構成だったと思います。
そもそも主人公とヒロインは相手を探すというよりは、ふらふら歩いていると敵から勝手にやってきて戦うというのの繰り返し。ストーリーやキャラクターに入り込めなかったので、ヒロインが主人公の家を離れて1人で歩いていると敵の親玉がトレーニングしてたりして、結構近いところでみなさん争ってるのかなとどうでもいいことが気になり始めちゃいました。主人公は戦うたびに身体もボロボロになっていきますが、次の相手になると衣装も綺麗になっていて、何着持っているのかな? この時代にクリーニングとかどうやってるのかな? ヒロインが大声で叫ぶと何百人といた侍軍団が攻撃しようとしてたのにちゃんと待っていてくれる。主人公とヒロインが話すと後ろでずっと刀を構えて待機してくれる。とか突っ込みどころを探しちゃう悪循環に陥りました。
肝心の殺陣も乱戦になるとただ刀を振り回して名もなき役者さんたちがバタバタ倒れていくだけなので、相当いろいろな工夫をしてくれないとすぐに飽きてしまいます。せっかくギミックが面白そうな武器がいっぱい出てきて楽しそうですが、それを活かしたアクションみたいなのも感じられず。
ちょっと何をもって楽しんでいいのかわからず、ただただ長さだけを感じるだけの映画になっていて残念でした。
☆☆
鑑賞日: 2017/04/29 シネマサンシャイン平和島
監督 | 三池崇史 |
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脚本 | 大石哲也 |
原作 | 沙村広明 |
出演 | 木村拓哉 |
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杉咲花 | |
福士蒼汰 | |
市原隼人 | |
戸田恵梨香 | |
北村一輝 | |
栗山千明 | |
満島真之介 | |
市川海老蔵 | |
田中泯 | |
山﨑努 |
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