●こんなお話
妻の浮気をきっかけに家族全員が無茶な恋愛をしていく話。
●感想
ある夜、主人公は妻とディナーを楽しんでいた。ところが突然、妻から「離婚しましょう」と切り出されて言葉を失う。しかも、理由は職場の同僚との浮気だった。思いがけない展開にショックを受けた主人公はやけくそになり、毎晩バーに通い詰めるようになる。
そんなある日、バーで女性を次々に口説くプレイボーイ風の男性と出会い、恋愛指南を受けることに。最初はうまくいかなかったが、徐々に変化が訪れる。元アル中の女性教師と一晩を過ごしたことをきっかけに、次々と女性たちと関係を持つようになり、人生が少しずつ変わっていく。
一方、主人公の息子は家のベビーシッターに片想い中。何度も告白するがまったく相手にされない。ところが、そのベビーシッターはなんと主人公に恋をしていて、気持ちはすれ違ったまま進んでいく。
また別の登場人物、エミリーという女性も恋愛に悩んでいる。意中の男性に告白されるかと思いきや、ただ仕事を紹介されるだけでがっかり。心がモヤモヤした彼女は、かつて一度声をかけられたプレイボーイの元を訪ね、一晩を共にしようとするが、特に何も起きず、ただ語り合うだけで夜は明ける。
そのプレイボーイも変化の時を迎えていた。軽く遊んでいたはずが、本気で恋に落ちてしまい、どうすればいいのか分からず戸惑い、ついには主人公に恋愛相談を持ちかけるまでになる。
一方、ベビーシッターは主人公に振り向いてもらいたくて、友人の助言を受け、自分のヌード写真を送ろうとするという暴走っぷり。
物語は一気に混乱の渦へ。プレイボーイが恋人の親に挨拶に行くと言うので、主人公も妻とやり直すべく、子どもたちと一緒にアタックを試みる。ところがその恋人が登場した瞬間、思いもよらぬ事実が発覚。彼女はなんと、主人公夫婦の娘だった。プレイボーイが娘の恋人だと知って激怒する主人公。
そこへさらに、ベビーシッターのヌード写真の件を知った彼女の父親が怒鳴り込んできたり、妻の浮気相手の同僚が能天気に現れたりと、全員の気持ちがバラバラのまま大混乱。まるでラブコメのカオスなお祭り状態に。
クライマックスは、息子の卒業式。スピーチの途中で主人公が乱入し、心に響く言葉を贈ることで家族の心が一つにまとまり、物語は笑顔でおしまい。
登場人物全員がそれぞれ「自分らしくない」無茶をしていくことで勘違いが連鎖し、物語がどんどん転がっていくという。その過程がとても楽しく、あっという間の時間でした。妻との再出発を目指す中で、男性陣が全員そろってドタバタのバトルロワイヤルになる場面は笑いが止まらなかったです。壊れた給湯器の嘘電話など、ちょっとした演出にもほっこりできる要素が詰まっていました。
破綻寸前の関係性が、最終的には思いもよらぬかたちで修復される展開は見事。ハチャメチャなようで、きちんと感情の落としどころがありました。満足感の高い、爽やかな後味が残るラブコメでした。
☆☆☆☆
鑑賞日:2023/10/27 NETFLIX
監督 | グレン・フィカーラ |
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ジョン・レクア | |
脚本 | ダン・フォーゲルマン |
出演 | スティーヴ・カレル |
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ライアン・ゴズリング | |
ジュリアン・ムーア | |
エマ・ストーン | |
ジョン・キャロル・リンチ | |
マリサ・トメイ | |
ケヴィン・ベーコン |