●こんなお話
猿の人形が動くと人が死ぬ話。
●感想
飛行機乗りの男が古びた猿の玩具を骨董店に持ち込み、執拗に手放そうとする。店主が価値を疑った直後、猿が突然ドラムを叩き始め、その動きが止まった瞬間、店内のボーガンの矢が店主に突き刺さって死亡する。異様な現象に直面した男は、その場にあった火炎放射器で猿を焼こうとする。
双子の兄弟ハルとビルは、失踪した父の遺品の中からゼンマイ式の猿の玩具を見つける。その頃から周囲で不可解な事故死が相次ぎ始め、最初にベビーシッターが料理店で首を切られて命を落とし、続いて母親までもが内臓爆発の奇病により犠牲に。猿が動いた直後に人が死ぬという状況から、二人はこの玩具が死を呼ぶ存在だと疑うようになる。
しかし兄のビルは弟のハルを見下し続け、関係は悪化していく。追い詰められたハルは衝動的に猿のゼンマイを巻き、ビルに不幸が訪れることを望むが、実際に命を落としたのは母だった。この出来事はハルの中に強い罪悪感として残る。
その後、兄弟は伯父夫婦に引き取られるが、伯父もまた不審な事故で死亡する。次々と続く死に恐怖した二人は、猿を破壊しようと試みるが完全には壊れず、最終的に井戸の底へ捨てて封じたつもりになる。
それから25年が経ち、大人になったハルは結婚して息子ピーティをもうけるが、再び猿が現れることを恐れて家族と距離を置き、兄ビルとも疎遠な関係になっている。そんな中、兄弟を育てた伯母が事故死したという知らせが入り、ハルは猿が再び現れたと確信する。
ハルが町を訪れると、周囲では不可解な事故が頻発しており、家を案内してくれた不動産業者が目の前でも突発的な死が起こる。猿の呪いが再び動き出していることは明白となる。猿は井戸から回収された後、人手を転々として再び誰かの手に渡っていた。
ハルは息子ピーティを連れて調査を進め、猿を所持しているのがビルだと突き止める。さらに、猿を手放した若者が取り戻そうと現れ、三人でビルの潜伏先へ向かうが、若者は蜂の巣から飛び出した大量の蜂に襲われて命を落とす。
ハルはついにビルと対面する。ビルは母の死の責任をハルに押し付け、長年の憎悪をぶつける。一方のハルは、死は偶然に起きるもので猿はそのきっかけに過ぎないと語り、関係修復を試みる。
しかしその最中、猿が再びドラムを叩き始める。直後にビルが仕掛けていた装置が作動し、爆発によってビルは命を落とす。
ハルは息子とともに猿を回収し、その町を離れる決断をするが、大量の人間の死が続いている。移動の途中、ハルは死神のような存在を目撃する。
猿を処分せず自ら管理することを選んだハルだったが、通りでスクールバスに乗った若者たちが交通事故死で一瞬で命を落とす惨劇が発生しておしまい。
不条理な死が連続する構成と、予測できないタイミングで訪れる事故の描写が印象に残る作品でした。猿の仕組みが明確に説明されないまま進行するため、理屈ではなく現象として恐怖を受け止めるタイプのホラーとして成立しています。
特に死亡シーンのバリエーションは豊富で、過激な演出をどこかブラックユーモアとして見せるバランスが特徴的でした。突拍子もない死に方が続くことで、緊張と同時に妙な可笑しさも感じられる作りになっています。
一方で、物語の進み方はやや緩やかで、兄弟の関係や親子の描写に時間を割く構成になっているため、純粋なホラーのテンポを期待すると間延びして感じる部分もありました。
それでも、呪いの対象が特定の人物ではなく無差別に及ぶ点や、回避不能な死の連鎖という設定は独特で、印象には強く残ります。派手なゴア描写と家族ドラマが混ざり合う、個性の強い一本として楽しめる作品でした。
☆☆☆
鑑賞日:2026/04/24 DVD
| 監督 | オズグッド・パーキンス |
|---|---|
| 脚本 | オズグッド・パーキンス |
| 原作 | スティーヴン・キング |
| 製作 | ジェームズ・ワン |
| 出演 | テオ・ジェームズ |
|---|---|
| タチアナ・マズラニー | |
| クリスチャン・コンヴェリー | |
| コリン・オブライエン | |
| アダム・スコット | |
| イライジャ・ウッド |

