●こんなお話
ジャッキーVS人造人間の話。
●感想
冒頭から科学者らしい証人を守るため、未来的な装備を身にまとった襲撃者たちとの銃撃戦が繰り広げられ、迫力満点のアクションシーンが展開されました。特にジャッキーの部下である女性キャラクターが激しく戦う姿が印象的で、非常にかっこよく描かれておりました。
しかし、その力強い冒頭の勢いとは裏腹に、物語は徐々に珍作や怪作のような方向へ進んでいく展開となっていきました。冒頭の激しい戦闘シーンの後に、メインスタッフやキャストのクレジットが大きく表示されるのですが、その出し方があまりにも大胆で、まるでタイトルかと思うほどの大きな文字で脚本監督の名前がどーんと出る演出には少々戸惑いを覚えました。
舞台がシドニーに移ると、悪人たちに狙われている少女と、彼女に付きまとう若い泥棒の物語が始まります。ここからジャッキーの存在が薄れ、香港映画のようなコメディがかなりの長尺で展開されるため、正直なところ退屈に感じる場面が多々あり。
物語が進むにつれてジャッキーや悪役たちの思惑が明らかになっていく構成ですが、娘を守るためにジャッキーが見守る姿には感動する瞬間も。しかし、その部分もやや冗長に感じられ、また娘が記憶を取り戻す過程もあまりにあっさりと描かれているため、テンポが速すぎて少々物足りなさを感じました。
結果的に、ジャッキーがスクリーンに映っているという理由だけで見続けてしまう時間が多く、敵味方の思惑も錯綜し、結局のところストーリーや設定への興味が薄れてしまうのが残念でした。
アクションシーンについても、ジャッキー映画としての魅力や新鮮さが薄れてしまい、クライマックスの戦いはどこか東映の戦隊ものを思わせるような仕上がりに見えてしまいました。
ジャッキーとSFという設定は非常に魅力的に感じられたのですが、残念ながらその二つがうまく噛み合わず、まとまりに欠ける作品となってしまった印象です。
☆☆
鑑賞日: 2018/12/06 TOHOシネマズ川崎 2020/02/25 WOWOW
監督 | レオ・チャン |
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脚本 | レオ・チャン |
製作総指揮 | ジャッキー・チェン |
出演 | ジャッキー・チェン |
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ショウ・ルオ | |
オーヤン・ナナ |
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