映画【リトルトウキョー殺人課】感想(ネタバレ):ヤクザ×切腹×ターザン!?

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●こんなお話

 両親をヤクザに殺された刑事が親の仇に出会ってリベンジする話。 

●感想

 違法格闘技などの裏稼業に手を染めるヤクザたちの元に、突如として主人公が登場します。ターザンロープのような仕掛けでリングに飛び込むというド派手な登場を果たし、そのまま銃撃戦に突入。

 その後、主人公は知人の営む店を訪れますが、そこでもヤクザたちがみかじめ料を強要しており、これを見た主人公は彼らを一掃。新たに登場した相棒と一緒に活動を始めますが、互いに衝突している間にヤクザたちは逃亡。1人だけ捕らえたヤクザを取り調べるも、彼は隙を突いて自ら首の骨を折り、命を絶ってしまいます。

 やがて、ヤクザが経営するクラブで、女性キャストが親分に首をはねられて殺されるという事件が発生。その検死の結果、彼女の体内から麻薬が検出され、日本国内で日本人による麻薬売買が行われているという事実が明らかに。

 主人公たちは事件の真相を探るべく、再びそのクラブを訪れます。殺された女性の友人から話を聞こうとした矢先、「新しいオーナーから挨拶がある」と言われ、奥へ案内されると、そこにはなんと、主人公の両親の仇である親分が。顔の傷と入れ墨により、かつての因縁が一気に蘇ります。

 その後、主人公たちは親分の屋敷を張り込み、切腹を強いられていた女性を救うため、9人の護衛を倒しながら屋敷内へ突入。女性の命を救い出すことに成功します。続いて、銭湯でくつろいでいた親分たちに襲いかかり、スモウレスラーまでもが登場する荒唐無稽な戦いが繰り広げられます。

 さらに、隠れ家で女性と一夜を共にしていた主人公の元に、なぜかヤクザたちが突入してきて再び銃撃戦に発展。女性が捕まり、主人公も拷問を受けます。車の粉砕機で処刑されそうになるも、間一髪で逃走に成功します。

 麻薬売買の現場に主人公たちが突入し、壮絶な戦いの末に親分との一騎打ちが実現。主人公は日本刀を親分の腹に突き刺し、そのまま花火の山車ごと炎に包んで燃やし尽くしておしまい。

 この作品は、まさにアメリカ人が想像した“オリエンタルなニッポン”が詰まった、コメディ作品として最高峰の一作でした。日本人として見ていると、どんなギャグ映画にも勝る“笑い”の要素が満載です。

 登場人物たちはいかにも“ハリウッド的日本人像”で描かれており、片言の日本語を話しながら英語は流暢という奇妙さ。劇中には「盆栽クラブ」や「女体盛り」、「スモウレスラー」「ゲイシャガール」「謎の切腹」など、なんとも奇天烈な日本描写が次々と現れ、楽しめました。

 映画としては70分程度と短いため、相棒との関係の掘り下げや事件捜査の緊張感、アクションシーンの迫力といった“刑事モノ”としての要素には若干の物足りなさが残ります。ただし、主演のブランドン・リー氏による回し蹴りなどのアクションは圧巻であり、「死ぬ権利もある」と語りながらヤクザを爆死させるという強烈な演出も印象的でした。

 そしてなによりも、敵役の処刑方法として“刀を腹に突き刺し、火だるまにして焼き尽くす”という演出は、映画史に残るほどの凄惨さで、衝撃的な余韻を残します。

☆☆☆☆

鑑賞日: 2019/02/25 DVD 2024/10/13 DVD

監督マーク・L・レスター 
脚本スティーブン・グランズ 
キャリオペ・バートレストリート 
出演ドルフ・ラングレン 
ブランドン・リー 

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