映画【ザ・キラー】感想(ネタバレ):緊迫とユーモアが共存する暗殺劇|モノローグが彩る新感覚アクション映画

The Killer (2023)
スポンサーリンク

●こんなお話

 殺し屋が仕事に失敗して依頼主から殺されそうになってリベンジしていく話。

●感想

 パリの空き部屋を拠点に、向かいのホテルや窓の向こうにいる人々の動きを細かく監視し、ターゲットの狙撃に備える主人公の物語から始まります。入念に準備を重ね、ついに狙撃の機会を迎えますが、残念ながら失敗に終わってしまいます。そのため、慌てて空き部屋を脱出し、飛行機でドミニカ共和国へと逃亡する展開。

 自宅に戻ると、足跡を発見し警戒する主人公ですが、部屋は荒らされており、恋人が暴行を受けて入院していることを知ります。そこから怒りに駆られた主人公は、仕事の仲介役であった弁護士の事務所に侵入し、弁護士を殺害します。さらに、秘書からの情報を頼りに、殺し屋を運んだタクシー運転手を突き止め、彼を脅して情報を引き出し、その後殺害。

 物語はさらにフロリダに移り、殺し屋の自宅で番犬を眠らせた上で激しい格闘を繰り広げ、相手を銃殺。続いてシカゴでは、もう一人の殺し屋と対面し、食事中に彼を倒します。最終的にニューヨークにて依頼人の家に侵入し、脅迫を行って立ち去るという展開が描かれ、最後はドミニカ共和国で恋人と過ごす感じでおしまい。

 特にパリでの最初の任務は非常に丁寧に描かれており、狙撃失敗という意外な結末にクスリと笑ってしまいました。主人公のモノローグで日常のルーティンが紹介される一方で、緊張感の高まる狙撃が失敗に終わるという展開は、観る者にユーモアをもたらします。また、隠れ家に郵便屋が突然訪れるシーンは笑うべきか戸惑うべきか微妙なところで、ユニークな演出でした。

 また、カードキーの情報を盗む機械をアマゾンで購入する描写には、現代社会のデジタルな裏事情と商品の多様さに驚かされます。世界各地を飛び回る設定ながらも、スケール感があまり感じられない点や、殺し屋の心理描写を中心に次々とターゲットに忍び込むシーンを楽しむ作品であることは間違いありませんが、大きな物語の波は少なく、やや退屈さを覚える作品でした。

☆☆☆

鑑賞日:2024/09/23 NETFLIX

監督デヴィッド・フィンチャー 
脚本アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー 
原作アレクシス・ノラン 
出演マイケル・ファスベンダー 
ティルダ・スウィントン 
アーリス・ハワード 
チャールズ・パーネル 
ソフィー・シャーロット 
ガブリエル・ポランコ 
ケリー・オマリー 
エミリアーノ・ペルニア 
サラ・ベイカー 
タイトルとURLをコピーしました