映画【黒の教育】感想(ネタバレ):高校生の悪ふざけが地獄に変わる瞬間|緊迫の90分

Bad-Education
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●こんなお話

 高校生3人組が卒業間際に思い出作りに秘密を告白したりヤクザにいたずらして大変な目に遭う話。

●感想

 ある夜、タクシーの中で男女が性行為をしていたところ、突然、屋上から何かが落とされ驚かされる場面から物語が始まる。その屋上では、卒業を間近に控えた男子高校生3人組が、悪ふざけで下に物を落として笑い合っている。

 その流れで「卒業の思い出に、それぞれの秘密を話そう」ということになり、1人がいきなり教師の娘をレイプしたと打ち明けて、他の2人はドン引き。次の1人は、過去にホームレスを殴り殺したことがあると話し、さらに空気が重くなります。最後の1人が「教室を放火した」と語ると、他の2人はそれを信じなかったり、逆に録音して脅しに使おうとしたりします。

 やがて彼らは、街で優等生の少年にヤクザにペンキをかけるよう命じ、最初は戸惑っていた少年も、仲間にバカにされたのが悔しくて実行。ヤクザにペンキをかけた直後、3人で逃走するけど、1人が捕まり、残る2人はタクシーに乗り込んで隠れることに。しかしタクシー運転手に気づかれそうになり、揉めているうちにヤクザにも見つかりそうになったため、タクシーをそのまま盗んで逃げ出す。

 その後、検問に引っかかりそうになった時、タクシーの後部座席にいた女性が「この人たちにレイプされた」と叫び、彼らはますます追い詰められます。やがて警官に捕まり、パトカーで連れて行かれるのですが、その警官たちはヤクザと繋がっていて、そのまま彼らをヤクザのアジトへと引き渡す。

 ヤクザの親分の前に差し出された少年たちは、指を詰めることで許しを請うよう命じられます。最初に捕まっていた1人が指を切るも「切ったのは違う指だ」と言われ、今度は別の1人が詰め直す羽目に。そして最後の1人は、仲間たちに押さえつけられながら指を詰めさせられる。なんとかその場を切り抜けた3人は、夜明けの街を歩いておしまい。

 夜のシーンが特に印象的で、美しい映像の中に高校生たちの残酷さや人間の弱さが浮き彫りにされていましたと思います。ヤクザたちが「指を詰めること」に妙なまでのこだわりを持っているのも不気味で、彼らの世界に足を踏み入れた高校生たちの顛末には緊張感がありました。悪ふざけが取り返しのつかない事態へと転がっていく構成は、見ていて痛ましくも目が離せず、90分間最後まで飽きることなく鑑賞できました。

☆☆☆

鑑賞日:2024/07/02 NETFLIX

監督クー・チェンドン
脚本ギデンズ・コー
出演ベラント・チュウ
ケント・ツァイ
エディソン・ソン
レオン・ダイ
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