映画【VERSUS ヴァーサス】感想(ネタバレ):ゾンビとギャングが交錯する異色のバトルロワイアル

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●こんなお話

 囚人とか犯罪者とかいろんな人が死者がよみがえる森でバトルロワイアルする話。

●感想

 本作は120分の長さの中、ひたすらアクションシーンで物語を引っ張っていきます。その熱量の高さがひしひしと伝わってきて、見ているこちらも思わず引き込まれてしまいました。日本映画らしからぬかっこつけた演出が時に少し気恥ずかしくも感じられますが、それがこの映画の持つ魅力のひとつになっているように思います。

 物語は、囚人の主人公が仲間たちと脱走し、ギャングとの激しい争いに巻き込まれていく展開から始まります。そこへ突然ゾンビが現れ、バトルロワイアルのような混沌とした戦いが繰り広げられていくのですが、序盤は何が起きているのか分かりにくいながらも、その勢いに乗せられてしまいました。

 ただ、ギャングのボスが登場し、過去の因縁やヒロインの血をめぐる争いが説明されるあたりから、物語が一時的に停滞するように感じました。時代劇風の演出も入り、ストーリーの流れがやや重くなる場面もあったのは少しもったいなく思います。

 また、登場人物の周りをくるくる回るカメラワークが多用されているのですが、それが映像に動きを与える一方で、冗長に感じられる瞬間もありました。ゾンビ映画やアクション映画としては120分はやや長めかもしれません。

 悪徳警官がコメディリリーフ的に登場するのですが、物語の本筋に深く関わっているわけではなく、ただ場をかき回す役割になっている点は少々謎でした。ただ、そのキャラクターも含めて作品の独特な雰囲気の一部なのかもしれません。

 総じて、日本映画としてはここまでアクションに特化した作品はなかなかないため、アクション映画がお好きな方には十分楽しめる作品だと思います。熱量と勢いを存分に感じられる作品でした。

☆☆☆

鑑賞日:2020/08/02 DVD

監督北村龍平 
第二班監督山口雄大 
アクション監督下村勇二 
脚本北村龍平 
山口雄大 
出演坂口拓 
榊英雄 
三坂知絵子 
松田賢二 
新井雄一郎 
松本実 
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