●こんなお話
人類の都市ザイオンにマシンの攻撃が迫ってる中、ネオたちは預言者に言われたキーメイカーを探す話。
●感想
前作から映像の密度が格段に増していて、画面に詰め込まれた情報量だけで圧倒されました。CGの進化をフル活用した視覚表現は、もはや映像体験そのものとして楽しめるレベルになっていて、序盤からラストまで一気に駆け抜ける感覚を味わえて。とにかく映像がすごい。前作も十分派手でしたが、今作ではその派手さがさらに増して、アクションのスピード感、カメラワーク、そして人数のスケールまで上がっていました。
物語は、主人公がトリニティが死ぬ夢に苦しんでいる場面から始まる。ザイオンという人類の拠点が、機械によって支配されている世界における唯一の自由な都市として描かれ、そこに敵が迫ってきているという緊迫した状況が広がる。しかし、モーフィアスは預言を信じ、自らの信念に従って独自の行動をとっていく。それによって軍の司令官たちと対立する構図が生まれていた。
主人公は再びオラクルに導かれ、そこで彼女の護衛を務めるアジア系の男性と軽く手合わせをする場面がある。静と動の緩急がしっかりと付けられていて、単なる戦いというより、相手の力量や意志を確かめ合うような緊張感が漂っていたと思います。その後、キーメイカーという存在に会うよう指示を受け、キーメイカーを匿っているメロビンジアンという謎の人物のもとを訪ねることになる。
一方、前作で倒したはずのエージェント・スミスが再び登場し、しかも今作では無数に増殖して主人公を襲ってくるという驚きの展開に。個体としての強さだけでなく、数の暴力としても迫ってくるスミスたちの動きはスピード感に満ちていて、観ていて自然と体が緊張してしまう場面も多かったです。
中盤以降は、キーメイカーを巡る攻防が展開し、そこからの高速道路でのチェイスシーンに繋がっていく。ここでの演出がまたとんでもなく、エージェントたちと主人公チーム、さらには透明化能力を持つ双子の敵キャラが加わっての三つ巴の戦いは、映画ならではの空間を縦横無尽に使ったアクションの見せ場となっていた。車の屋根の上、トラックの中、バイクでの疾走と、とにかくバリエーション豊かで、画面から目が離せない。
今作では130分という長尺ながら、物語の構造自体はそれほど複雑ではなく、大半がアクションシーンで構成されている印象がありました。テレビゲーム的なカット割りや展開も随所に見られて、まるでプレイヤーの視点で映画の中に入り込んでいるような気分になる瞬間もありました。サングラスにロングコートを身にまとった登場人物たちが、いちいちポーズを決めて空を舞い、地面を跳ね、敵を撃退する姿は、何度見ても様になると思います。
物語の中では、キャラクターたちもそれぞれ存在感があり、エージェント側も主人公側も、それぞれの信念に基づいて行動しているのが伝わってきました。特にツインズの造形や動きは印象に残りましたし、敵ながら魅力的な存在感を放っていたと思います。
序盤のザイオンの生活描写や、主人公とヒロインのロマンス部分についてはやや長く感じたところも正直ありましたが、その甘さが後の展開での緊張感を引き立てていたとも言えると思います。そして、前作ではキスで蘇生していた主人公が、今回は心臓マッサージでヒロインを救うという展開になっていたのも、ある意味では続編ならではのバリエーションと言えるかもしれません。
全体として、映像、音楽、アクションの連続で押し切るスタイルが心地よく、2作目としてスケールアップした続編として十分に楽しめる作品でした。
☆☆☆☆
鑑賞日:2014/01/29 Blu-ray 2021/12/19 NETFLIX
監督 | ラリー・ウォシャウスキー |
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アンディ・ウォシャウスキー | |
脚本 | ラリー・ウォシャウスキー |
アンディ・ウォシャウスキー |
出演 | キアヌ・リーヴス |
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ローレンス・フィッシュバーン | |
キャリー・アン・モス | |
ヒューゴ・ウィーヴィング | |
ジェイダ・ピンケット・スミス | |
グロリア・フォスター | |
モニカ・ベルッチ | |
コリン・チャウ |