●こんなお話
創価学会ができるまでを戸田城聖の半生と共に勉強する話。
●感想
戸田城聖が昭和20年に出所して敗戦後の生活から始まり、出版社を経営していて、そこにかつての学会員が集まってきて…。
戦後の生活を描いたと思ったら、急に明治時代になって主人公の若き日の教員としての姿が描かれていき、小学校校長の牧口常三郎と出会い彼と共に創価教育学会を作るけれど、特高警察に捕まってしまう。ここでの丹波哲郎さんが1人でぶつぶつ喋りながら法華経の解明をしていくのが結構長いこと描かれていて、画面にドアップの丹波哲郎さんの顔の迫力たるやすごかったです。
何といっても主役の丹波哲郎さんが2時間40分の上映時間のほとんど出ずっぱりで、戸田城聖の事業家としてどんどん出版社を大きくしていって、国家権力の横暴にも負けずに創価学会を広めていくカリスマ性ある人物を説得力があるお芝居がさすがでした。
後半の法華経の勉強会での十界論の仏法も何を見せられているんだろうという演出でした。ここから今までの創価学会の歴史とか戸田城聖の半生とかではなくなり、本当に説法を聞かされるという内容でした。
極楽も地獄もあの世ではなくこの世にあると話して地獄の描写でいきなり制作当時の現代である70年代の描写がインサートされるのとか突然すぎてぶっ飛ばされる映像でした。ほかにも声聞の世界に入るとかでまた現代の生活に悩んでいる人たちの映像が挿入されたり強盗かなんかして刑務所で捕まって苦しんだ後、建築現場で頑張って働く黒沢年男さんとか。子育てに悩む母親とか菩薩や現代日本で働く人たちの映像など一体何を見せられているんだろう? という創価学会員向けなのか、これを見て創価学会に入会したいと思えるのか謎の仏法のシーンでした。それでも丹波哲郎さんの長台詞に不思議と聞き入ってしまうところもありました。
果たして日蓮大聖人や初代会長の牧口常三郎が今の創価学会を見て何を思うのかと考えてしまう映画でした。
鑑賞日:2020/11/26 日本映画専門チャンネル
監督 | 舛田利雄 |
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特殊技術 | 中野昭慶 |
脚本 | 橋本忍 |
原作 | 池田大作 |
出演 | 丹波哲郎 |
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芦田伸介 | |
仲代達矢 | |
新珠三千代 | |
木下圭介 | |
平田昭彦 | |
名古屋章 | |
稲葉義男 |