映画【ガーディアンズ】感想(ネタバレ):スーパーヒューマンたちの激突!ロシア発ヒーローアクション映画の魅力

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●こんなお話

 特殊能力を持つ人たちが特殊能力を持った人をやっつける話。 

●感想

 軍人たちの間で緊張感漂う会議が開かれていた。そこで語られるのは、かつてある博士が開発した特殊能力を持つ存在——いわばスーパーヒューマンたちについてだった。その博士は、今や電子機器を自在に操る能力を手に入れ、単身でロシア軍を翻弄しているという。これに対抗するため、軍はスーパーヒューマンたちを再び集結させる決断を下す。

 呼び寄せられるのは、岩を操る能力を持つ寡黙な男性、熊に変身する野性味あふれる男性、音速で駆ける俊敏な若者、そして自らの姿を透明化できる女性。それぞれが異なる場所で別々の人生を送っていたが、軍の要請により再び表舞台に立つこととなる。

 一度はチームとして結束し、敵の拠点に乗り込んで戦うものの、敵の策略によりあっさりと捕らえられてしまう。唯一逃れた岩使いの男だけが救出され、治療を受けながら反撃の機会をうかがう。そして、博士の過去を知る人物の助けを得て、残された仲間たちの救出作戦が始動する。政府の最新技術を用いた特殊スーツを装備し、最終決戦へと突入。博士が構築しようとする巨大アンテナに立ち向かい、激しい戦いが繰り広げられる。

 本作は数多くあるスーパーヒーロー作品の中でも、比較的短めの90分という上映時間が特徴でした。そのコンパクトさゆえに、テンポよく進むのではと思っていましたが、実際には開始早々から登場する初見の男性キャラクターが、一方的に世界観を説明してくるという構成になっており、あまり親切な導入とは感じませんでした。

 特殊能力を持つキャラクターたちが集まる流れも、ごく淡々としていて、登場人物それぞれの内面や背景に触れる描写は少なく、あっという間に集結してしまいます。本来であれば仲間を募っていく過程こそがこの手のジャンルの醍醐味だと思いますが、それぞれの人物に対する掘り下げが乏しく、感情的な盛り上がりに欠ける印象がありました。

 とはいえ、アクションシーンの演出には熱量が感じられ、予算規模を考えればかなり頑張っていると思える箇所も多くありました。過去のヒーロー作品に既視感のある要素は否めませんが、作り手たちがこの世界観に情熱を注いでいることは感じられました。

 ただし、戦闘の緊張感が薄く、次に何が起こるかというワクワク感には欠けていたのも事実です。特に終盤、敵に対抗する手段として突然「エネルギーをみんなで集める」という解決方法が提示されたときは、少し唖然としてしまいました。それまで積み上げてきた戦術的な要素とは異なる流れになってしまい、もう少し段階を踏んだ展開が欲しかったところです。

 現在、多くのスーパーヒーロー映画が毎年のように公開される中で、観客の目も肥えていると感じます。その中で本作のように、王道の要素を持ちつつも何かもう一歩、新しさや独自性のある視点がないと、印象に残るのは難しいのではと思いました。個人的には、熊に変身するという設定はとてもユニークで、もっと活かせたら面白かったのではと感じます。ジャンルへのリスペクトは伝わってきただけに、あと一歩何かが加われば、もっと心に残る作品になったかもしれません。

☆☆

鑑賞日: 2018/09/30 Blu-ray 2025/07/22 Amazonプライム・ビデオ

監督サリク・アンドレアシアン 
脚本アンドレイ・ガヴリーロフ
出演アントン・パンプシニ 
サンザール・マディエフ 
セバスチャン・シサク 
アリーナ・ラニナ 

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