●こんなお話
港町が謎の霧に襲われて恐怖体験する話。
●感想
物語は昔の人たちがボートに乗っているところに何か得体の知れない存在が襲いかかるシーンから始まります。現代に舞台が移り、港町の人々の生活が描かれる。シングルマザーのDJや、無線で連絡を取り合う灯台の男性、チャーター船で釣り客を案内する主人公、そしてその恋人も登場する。さらに町では、町の創設者たちを称える銅像の建立イベントが計画されている。
ある日、主人公の友達が船で女性たちとパーティーを開んでいたところ、謎の霧が突然襲いかかり、参加者たちが次々と命を落としていく。友達が戻らないため主人公たちが船を調べると、遺体が散乱し、友達は冷蔵庫に隠れて震えながら「霧に襲われた」とつぶやいていた。
主人公と恋人は街の歴史を調べ始め、過去に何か重大な事件があったことを知る。回想シーンで描かれるのは、町を作った偉人たちが実は殺人を犯しており、殺された人々の怨霊が霧に乗じて襲いかかっているという事実だ。やがて街は霧に包まれ、市長や為政者たちが次々と殺され、主人公たちも追い詰められていく。
やがて主人公の恋人が幽霊に襲われるが、実は彼女は幽霊たちの仲間であり、そのまま霧と共に消えてしまうというのでおしまい。
霧が襲うというアイデアや怨霊のビジュアルは魅力的で楽しいものの、全体のストーリーやキャラクターに深みがなく、退屈に感じる部分が多かったです。主人公はヒーローらしい決断力や個性に乏しく、ぼんやりした印象を受けました。恋人が率先して歴史を調べる動機や、最後の幽霊仲間というオチも、驚きよりもむしろトンデモ展開として受け取られがちだと思います。
また、過去の悲劇を描く回想シーンも新鮮な情報をほとんど与えず、ストーリーの進行をむしろ遅らせている印象を与えていると思いました。霧が襲うまでの時間も長く、襲われてからも冗長な展開が続くため、全体として鈍重に感じてしまう作品でした。
☆☆
鑑賞日:2009/11/10 DVD 2023/08/08 NETFLIX
監督 | ルパート・ウェインライト |
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脚本 | クーパー・レイン |
オリジナル脚本 | ジョン・カーペンター |
デブラ・ヒル | |
製作 | ジョン・カーペンター |
デブラ・ヒル |