●こんなお話
父親が最後の時を迎えそうなので実家に戻ったら恐怖体験をする姉弟の話。
●感想
アメリカの田舎の静かな農場で、おばあちゃんが家畜の世話をしながらもどこか不穏な空気を感じている。そんな中、主人公は父親の病状が悪化したとの知らせを受けて久しぶりに実家へ戻るが、母親の様子がおかしく、不機嫌さをぶつけられる。
弟も合流し、久々の家族団らんのはずが、母親は突然「来るなと言った」と激しく怒りだし、やがて自らの指を切り落として自殺してしまう。ショックを受ける主人公たちは、近所の老人と出会い、彼が亡くなった妻を思い悩んでいる様子を知る。
シャワーを浴びている最中、寝たきりのはずの父親が怖い表情で現れるなど、家の中には不気味な現象が次々と起こり、主人公は母親の日記を見つける。そこには、母親が何か奇妙な怪現象に苦しんでいたことが綴られていた。
夜になると、主人公たちは恐ろしい幻覚に襲われ、母親が何かに取り憑かれていたのではないかと疑い始める。新婦が家に訪れ、母親の日記を読んで悪魔的な話を持ち出すが、弟は信じようとしない。
深夜には神父が怖い表情で訪ねてきたり、知り合いの老人が自殺したりと恐怖が重なる。翌朝、神父に電話をかけると「会っていない」と取り繕う言葉に主人公は大きなショックを受ける。弟も次第に恐怖体験をし、家族を心配しながら父親を病院に移そうとするが医者に拒否される。
老人の孫娘が訪ねてくるが、彼女も不気味な様子で襲いかかってくる。介護士も次々と不審な行動に走り、自ら命を絶つ。弟は恐怖に耐えられず家に戻るが、そこで家族全員が死んでいるのを発見し、絶望の中で自決。だが死の間際にそれが幻影だったと気づき、再び家族は揃う。最終的に父親が亡くなると、母親の幽霊が襲いかかって物語はおしまい。
何もないと思った瞬間に突然恐怖が襲う、という演出が何度も繰り返されますが、その繰り返しが単調に感じてしまい飽きが来る部分もありました。
親不孝な家族が恐怖体験を通じて教訓めいたものを感じる悪魔憑依の物語は新鮮さに欠け、いつ面白くなるのかと思っているうちに終わってしまう90分でした。とはいえ映像は美しく、怖そうな雰囲気がしっかり作られているため、お化け屋敷的なホラー映画として一定の怖さと見応えはある一本と言えると思います。
☆☆
鑑賞日:2023/08/07 Amazonプライム・ビデオ
監督 | ブライアン・ベルティノ |
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脚本 | ブライアン・ベルティノ |
出演 | マリン・アイルランド |
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マイケル・アボット・Jr | |
ザンダー・バークレイ | |
ジュリー・オリバー・タッチストーン | |
マイケル・ザグスト |