映画【日本のいちばん長い日(2015)】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 敗戦色濃くなってきて、戦争をどうやって終わらせるのかの上層部と戦争継続を訴える青年将校たちの苦悩の話。

●感想

 鈴木貫太郎が総理大臣就任するところから始まって天皇の意をくんで終戦へ向けて動き出す。組閣をして陸軍大臣に阿南惟幾を指名。内閣誕生して終戦をするかしないかの会議をして天皇が終戦へ向けての方向を話して、そちらの方向へ。

 青年将校たちや東条英機や大西瀧治郎は戦争継続の意見。原爆やソ連参戦で総辞職かとなるけど鈴木総理はこの内閣で終戦させると決意している。阿南陸軍大臣は青年将校たちの戦争継続をなだめつつ会議では強硬な意見を言いつつ青年将校たちに会議は閣僚のほとんどはポツダム宣言受諾に反対と嘘を言って暴発を抑えて、友人の閣僚からご聖断を仰ぐべし、とか話をされたり。

 ポツダム宣言受諾が決定されて玉音放送のスピーチ内容で揉めたりしつつ決定されて天皇の放送の録音があって8月15日になって青年将校たちは近衛師団長を説得しようとして失敗して射殺。近衛師団のニセ命令を出して連隊長を動かして宮城を封鎖。宮内庁職員とか関係者を脅して玉音盤を探して職員がのらりくらりかわす。青年将校が自らの気持ちを放送で演説しようとしたり。

 阿南陸軍大臣は責任を取って自決。東部軍司令官が自ら乗り出してニセ命令で動いている将兵を鎮圧。青年将校たちも自決。玉音放送が流れておしまい。

 どうしてもオリジナルと比べてしまいますが、いちばん長い日というよりいちばん長い半年と結構描かれる時期が長くなってしまっていますが、これはこれで面白いと思いました。鈴木貫太郎が昭和天皇から総理大臣を頼まれるところから始まり、玉音放送までを描いていきます。原田眞人監督の得意技である群像劇としても面白く見ることができました。会議のシーンとか退屈になりがちですが、これまた原田監督作品の特徴である細かいカッティングや膨大なセリフ量で引っ張っていってくれてよかったです。役者さんもよくて、特に青年将校さんたちは難しいセリフを大声ではっきりと喋っていてよかったです。オリジナルにはなかった鈴木貫太郎、阿南惟幾、昭和天皇の家庭人としての側面も強調されていきます。

 ただやっぱり半年前から描いていくのはちょっと長くて、物語のテンポは悪いと感じました。それに後半は宮城事件がメインで描かれていきますが、そこでの畑中少佐が放送されていないとわかっていながらも国民に向けて演説するシーンなんかは感傷的すぎると思いますし。阿南大臣の次男の戦死の状況を話し始めるというのは、唐突すぎて、あそこで話し始めるのなら、もっと宮城事件と同じくらいの比重で次男の戦死について描かないといけないと思いました。それに個人的には難しいとは思いますが、昭和天皇が宮城事件についてどう思っていたのかとかも見たかったです。

 そして、真夏で動き回っているはずなのに全く持って汗をかかずに綺麗な服装なのとか今の日本映画の限界なのかなとか残念に思うところも多かったです。それに日本史好きとかでなはないと、誰が誰なのか何をしているのかとか難しい映画に放っていると思います。

 オリジナルには到底及ばないと思いますが、これはこれで面白い映画だとは思いました。

☆☆☆

鑑賞日: 2015/08/16 チネチッタ川崎 2016/02/03 Blu-ray 2020/02/12 NETFLIX 2025/01/11 Amazonプライム・ビデオ

監督原田眞人 
脚本原田眞人 
原作半藤一利
出演役所広司 
本木雅弘 
松坂桃李 
堤真一 
山崎努 
蓮佛美沙子 
大場泰正 
小松和重 
中村育二 
山路和弘 
金内喜久夫 
鴨川てんし 
久保耐吉 
木場勝己 
中嶋しゅう 
麿赤兒 
戸塚祥太 
キムラ緑子 
野間口徹 
松山ケンイチ 
戸田恵梨香 

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