映画【フライト・キャプテン 高度1万メートル、奇跡の実話】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 四川航空で起きた実際の事故を描いた話。

●感想

 操縦席の窓ガラスが突如割れて、パイロットたちがエマージェンシーな状態になって乗客たちもパニックになって、地上のスタッフたちもハラハラ。というパニック映画の基本はさすがの中国映画の攻撃力の高さで迫力がすごくて手に汗握るパニック映画に仕上がっていました。

 ただ事故が起こるまでの群像劇としての構成がゆるいコメディみたいなのだったりして、しかも長いことあって退屈でした。もう少し短くてもよかったです。前半は【ハッピーフライト】的な空港職員のお仕事ムービーみたいになっていました。

 副操縦士が窓の外に上半身飛び出しちゃって負傷して、しかも窓ガラスが割れた状態のまま最後まで頑張るのが機長よりも副操縦士さんのほうがすごいのではないかと思ってしまいました。そして元空軍の機長をはじめ、キャビンアテンダントさんたちもパニックの乗客を演説して宥めたり、各自プロフェッショナルな行動をしていって危機的状況を乗り越えていきます。ただパイロットチームはマスクをして喋れない状態なので、機長の心の声で説明が入ったりするのは上手くはない演出なのではないかと感じました。「乗客を絶対帰すんだ」とか「乱気流を突破するのは今しかない」とかなぜそこでそんな説明をするのか見ればわかるのではないかと思います。地上のスタッフもいろんな人たちが登場しますが、映画を見ている限り特に何もせずモニターを見ているだけで退屈で、飛行機マニアとかも出てきたりしますが、彼らも特に何をするわけでもないのでただ時間が長く感じるキャラクターやストーリーが多かったです。

 危機的状況も高度を下げるとか上げるとか乱気流を避けるくらいの見せ場があまりないのも、あまりピンチに感じられないのが残念でした。キャビンアテンダントさんたちは乗客たちを必死に抑えて酸素マスクをつけさせてというだけで、もう少し変化が欲しかったです。

 それに事故が解決してからのエピソードもこれまた長くて、30分も乗員乗客たちがずっと飛行機周りでだらだら喋るのとかもスパッと終わってほしくて、やたらと機長を称える演出にも疲れちゃいました。 

 そして最後にテロップで本物の乗員の方々を映して、「四川航空は世界最高の安全性」みたいなテロップを見てどういう気持ちになればいいのかわからない映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2020/10/26 シネマート新宿

監督アンドリュー・ラウ 
アクション指導リー・ダーチウ 
脚本ユー・ヨンガン 
出演チャン・ハンユー 
オウ・ハオ 
ドゥー・ジアン 
ユアン・チュアン 
チャン・ティエンアイ 
リー・チン 
ガオ・ゴー 
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