映画【シンパシー・フォー・ザ・デビル】感想(ネタバレ):ラスベガス暴走劇と復讐の一夜

Sympathy for The Devil
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●こんなお話

 車の中にいきなり知らない男が拳銃を突きつけてくる話。

●感想

 物語の舞台はラスベガス。デヴィッドは出産間近の妻のいる病院へいくため、夜の病院駐車場に車を止める。

 病院の駐車場について受付へ向かおうとした瞬間、赤い髪の男が後部座席に乗り込み、拳銃を突きつける。男はそのまま運転席に座らせ、指示通りに走らなければ殺すと告げる。デヴィッドは抵抗できず車を発進させる。男は具体的な目的地を示さず、市内を走らせながら執拗に話しかける。家族構成や仕事、過去の出来事について問い詰め、動揺を誘う。

 途中でガソリンスタンドに立ち寄る。デヴィッドは助けを求めようとするが、男は常に銃口を向けて監視する。わずかな異変は生じるものの、決定的な救出には至らず、その場を離れる。

 やがて男は、自身の家族が交通事故で死亡したと語り出す。事故は飲酒運転によるもので、加害者は刑を受けながらも社会に戻ったと説明する。そして、その加害者がデヴィッドだと断言する。

 デヴィッドは否定するが、男は事故の日時や場所、被害状況を具体的に挙げる。次第にデヴィッドは追い詰められ、過去に酒を飲んで運転し、死亡事故を起こした事実を認める。男の目的は金銭ではなく復讐であると明らかになる。精神的に追い詰めたうえで、自らの手で制裁を加える意図を示す。

 二人はダイナーに入る。店内で男は突然デヴィッドを怒鳴りつけ、拳銃で脅しながら拘束する。異変に気づいた客が逃げようとしたため、男は発砲する。混乱の中、デヴィッドは隙を突いて外へ逃走するが、男は火炎瓶を投げつける。さらに男はデヴィッドの携帯電話を使い、病院にいる妻へ電話をかけ、状況を匂わせて再び従わせる。

 その後、パトカーが二人を追跡する。デヴィッドは意図的に車を衝突させ、男を負傷させる。追いついた警官が接近すると、デヴィッドは発砲する。混乱の中でデヴィッドは男と対峙する。自らが事故の加害者であることを認めたうえで、男を絞殺する。

 警察のサイレンが鳴り響く中、デヴィッドは現場に立ち尽くし、生き残っておしまい。


 主演のニコラス・ケイジの怪演はやはり大きな見どころでした。登場直後から強烈な存在感を放ち、車内という限られた空間を一瞬で支配してしまいます。

 理不尽に見える行動の裏に、次第に明らかになる動機を重ねていく構成は興味深く、物語に引き込まれました。笑みを浮かべながら銃を突きつける姿や、突然激昂する瞬間の落差には強いインパクトがあります。

 一方で、長い台詞による心理戦が中心となるため、抽象的な語りが続く場面では緊張感が停滞する印象も受けました。観る側が状況を整理しきれないまま会話が進む箇所もあり、テンポの緩急は好みが分かれる部分だと感じます。

 それでも、ほぼ二人芝居で物語を成立させる構成は挑戦的であり、俳優の力量が試される作品だと思いました。ロードスリラーと心理劇を組み合わせた一作として、ニコラス・ケイジの演技を堪能するための映画であることは間違いありません。

☆☆

鑑賞日:2026/02/14 WOWOW

監督ユヴァル・アドラー 
脚本ルーク・パラダイス 
出演ニコラス・ケイジ 
ジョエル・キナマン 
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