映画【天国と地獄】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 他人の子どもでも誘拐は成立するという無茶苦茶な事件に巻き込まれる靴メーカーの重役の苦悩と「犬になってもホシを挙げるんだ」と犯人を追跡する刑事たちの話。

●感想

 開始50分ほどの主人公の豪邸での演劇を見ているかのようなやりとりから緊迫感あってひきつけられる映画でした。
 主人公と会社の重役たちとの戦いがあって、5000万で重役たちより株を多く入手できる日に誘拐事件が発生してしまう。運転手の息子に身代金を出すのか、けど早く大阪にお金を持っていかないと会社を追い出されるかもしれないという葛藤の面白さ。
 そこで運転手が「絶対返しますから、貸してください」と懇願したり、けれど主人公にとって大切なお金だとわかり「身代金は払わないでください。息子はすばしっこいですから逃げ出してくるはずです」と話したりする姿も涙なくして見られないです。身代金を払うのか払わないのか。
 その決断が揺らぐなか、片腕として働いてる男の裏切りがあったり。

 そして「また最初からやり直しだ」と身代金払う事を決意してから、ずっと室内から一転しての身代金受け渡しの特急こだま。7センチの鞄を指定してきた犯人のたくらみがわかる面白さ。
 後半からは刑事たちの捜査をドキュメントタッチで描いていき、細かいシーンの連続で足で捜査ししだいに真犯人に辿り着いていく。

 有名な白黒画面にピンクの煙だったり、麻薬中毒者がこんなにいるんだというショッキングなシーンがあったり、真夜中にラジオから流れてくる「オー・ソレ・ミオ」、その中に現れるミラーのサングラスが不気味な真犯人ったらないです。
 140分という長さで緊張感が途切れず楽しませる要素がいっぱい詰まった映画で最高の映画でした。

☆☆☆☆☆

鑑賞日:2014/04/09 DVD

監督黒澤明 
脚色小国英雄 
菊島隆三 
久板栄二郎 
黒澤明 
原作エド・マクベイン 
出演三船敏郎 
香川京子 
江木俊夫 
佐田豊 
島津雅彦 
仲代達矢 
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