●こんなお話
悪い南アフリカの領事と戦うロサンゼルス市警の話。
●感想
ロサンゼルス市警の刑事コンビである、心に深い喪失を抱えつつ危険な現場に身を投じるリッグスと、家族を何より大切にし定年を目前に控えたマータフは、市街地での派手なカーチェイスの末に逃走車両を止め、そのトランクから大量の南アフリカ金貨クルーガーランドを発見し、この一件が偶発的な犯罪ではなく、国際的な裏取引に関係している可能性を感じ取るが、すぐに署から別任務として、資金洗浄に関与していた銀行員レオ・ゲッツをFBIに引き渡すまで保護する役目を命じられる。
落ち着きのないレオの軽口と身勝手さに振り回されながら警護を続けるうち、リッグスとマータフは、彼が南アフリカ共和国の外交官アーィェン・ラッドの資金洗浄を請け負っていたこと、さらにラッド一味が外交特権を隠れみのに麻薬取引と不正資金の運用を行っている実態を知るが、外交官という立場が捜査の壁となり、逮捕も捜索も許されず、警察として正義を貫く手段を奪われていく。
やがてラッドは圧力を強め、部下に命じてマータフの自宅を爆破し家族の安全を脅かし、同時にリッグスにも容赦ない攻撃を加える一方で、リッグスはラッドの秘書の南アフリカ人女性リカと心を通わせ、彼女の言葉や態度からラッドの冷酷さと露骨な人種差別思想をより深く理解していく。
しかしラッドは裏切りを決して許さず、腹心の殺し屋ピーテル・フォルステットに命じてリカを殺害させ、さらにリッグス自身も命を狙われるが生き延び、怒りと喪失を胸に抱えたリッグスとマータフは、法と外交特権の枠内で解決することを捨て、自らの手で真相と決着をつける覚悟を固める。
二人は港に停泊する南アフリカ船籍の貨物船に巨額の麻薬資金が隠されていることを突き止め、コンテナ内に閉じ込められる危機を乗り越えながら激しい銃撃戦を展開し、リッグスは水中でフォルステットを倒し、最後に外交特権を盾に逃れようとするラッドを射殺し、その「外交官特権は終わりだ」と特権を力尽くで否定することで、闘いに決着をつける。
重傷を負ったリッグスの生存も確認され、家を失ったマータフも再び前を向き、レオを含む仲間たちとの軽妙なやり取りの中で物語はおしまい。
冒頭から容赦のないカーチェイスで観客を一気に引き込み、マータフ刑事が妻の車で犯人を追いかける展開から、リッグス刑事の無茶な行動に振り回される関係性がよく伝わってきて、とても楽しいツカミでした。犯人を取り逃がしながらも大量の金貨が見つかり、背後にアパルトヘイト体制下の南アフリカ領事がいると分かっていく流れは、社会的な題材と娯楽性がうまく結びついている印象を受けました。
敵役が露骨な差別主義者として描かれているため、観ている側の感情も自然と主人公たちに寄り添い、外交特権を盾に好き放題振る舞う姿には強い憤りを覚えますし、その特権ゆえに捜査が妨げられる構図も非常に印象的でした。主人公たちへの攻撃も爆弾やヘリコプターまで持ち出す派手さで、アクション映画としての勢いが最後まで途切れません。
証言者として命を狙われるレオを演じるジョー・ペシの早口と軽妙さも作品の空気を和らげており、ひたすらいじられ続ける立ち位置がシリーズの名物としてしっかり機能していると感じました。
また、リッグス刑事の亡き妻の事故にまつわる真相が示唆され、さらに心を通わせた女性も悲劇に見舞われる展開は切なく、彼の孤独と痛みがより強く浮かび上がります。肩の脱臼や釘打ち機、マータフの娘が出演するCMなどの細かな小ネタも随所に散りばめられており、重さと軽さのバランスが取れた一本として、非常に満足度の高い作品でした。
☆☆☆☆
鑑賞日:2021/08/02 Amazonプライム・ビデオ 2025/12/21 U-NEXT
| 監督 | リチャード・ドナー |
|---|---|
| 脚本 | ジェフリー・ボーム |
| 原案 | シェーン・ブラック |
| ウォーレン・マーフィー | |
| 製作 | ジョエル・シルヴァー |
| リチャード・ドナー |
| 出演 | メル・ギブソン |
|---|---|
| ダニー・グローヴァー | |
| ジョー・ペシ | |
| ジョス・アクランド | |
| デリック・オコナー | |
| パッツィ・ケンジット | |
| ダーレン・ラヴ | |
| トレーシー・ウルフ | |
| スティーヴ・カーン |


