映画【スワロウテイル】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 移民の街で生きる人達の話。

●感想

 日本が舞台だけど英語、中国語、日本語が混じった世界観で美術や衣装に岩井俊二作品らしいやわらかい照明に終始なり続ける音楽と異国感いっぱいの世界へ連れて行ってくれるところがさすがの映像美でした。

 親を亡くした女の子が保護者がいない中、charaさん演じる娼婦に無理やり預けられて一緒に生活することになる。ある日、娼婦のお客さんに襲われるところを用心棒が突き飛ばしちゃって死んでしまう。仲間たちと山に捨てに行く。死体を調べるとお腹の中からカセットテープが見つかって、磁気テープで千円から一万円を作れるデータが入ってることを知って、ニセ札を作ってお金持ちになっていく。

 前半は成り上がりもので底辺の生活をしていたところから、引っ越しをしてライブハウスを買い取って、そこでcharaさんのためにバンドメンバーを集めていく。

 独特の世界観で引っ張っていきますが、お話の構成脚本の構成は結構ちぐはぐな印象で、成り上がっていってバンドメンバーを集めるくだりも長いし、主人公が少年たちと出会ってクスリを見つけて自ら打って中毒から闇医者のもとで治療して…という流れとカセットテープを巡るマフィアとかに追いかけられるサスペンス、charaさんが歌手としてメジャーデビューしていくことによって、三上博史さんとの絆が分断されてどんどん離れていってしまうという流れ。ここらへんが全部ぶつ切り状態のため、いまいち盛り上がりに欠けました。

 後半になると伊藤歩さんが子供たちを使ってニセ札で大金を作ってライブハウスを買い戻そうとする流れと売れっ子になったcharaさんが桃井かおりさんに過去の殺人を問い詰められたり、ちょうどそのタイミングでマフィアが襲ってきてカセットテープの行方を聞いてきて、渡部篤郎さんとの戦いになる。全部がトーンダウンしていって退屈でした。山口智子さん演じる殺し屋みたいなのもめちゃくちゃかっこよくて魅力的ですが、そもそもが何者であんまりよくわからないキャラクターでした。

 とはいえcharaさんの歌唱の魅力や伊藤歩さんが周囲から一歩引いているようだけど、だんだんと中心になって最後にはみんなと一緒になってイエンタウンの中に入っていくという魅力が楽しい映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2012/05/07 DVD 2021/12/13 NETFLIX

監督岩井俊二 
脚本岩井俊二 
原作岩井俊二 
出演三上博史 
Chara 
伊藤歩 
江口洋介 
アンディ・ホイ 
渡部篤郎 
桃井かおり 
山口智子 
大塚寧々 
洞口依子 
ミッキー・カーチス 
渡辺哲 
塩見三省 
武発太郎 
シーク・マハメッド・ベイ 
小橋賢児 
翁華栄 
藤井かほり 
ケント・フリック 
ローリー寺西 
田口トモロヲ 
鈴木慶一 
山崎一 
北見敏之 
光石研 
酒井敏也 
クリス・ペプラー 
陰山泰 
顧暁東 
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