映画【レザーフェイス-悪魔のいけにえ】感想(ネタバレ)

Leatherface
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●こんなお話

 レザーフェイス誕生の秘密みたいな話。 

●感想

 1955年、テキサス州の田舎町。ソーヤー家では幼いジェドに対して家族が殺人を強要する。家族は食卓を囲みながら平然としている。車で捕まった若い娘ベティが拘束される。ベティを家族で殺害。その事件をきっかけにベティの父親である保安官ハートマンはソーヤー家への激しい憎悪を抱くことになる。ジェドは精神異常児として隔離施設グローマー精神病院へ送られ、家族と引き離される。

 数年後、病院には若い看護師リジーが赴任する。施設には危険な患者たちが収容されており、荒れ果てた空気が漂っている。そんな中、患者のクラリスが職員を人質に取って暴動を起こし、施設内は混乱状態となる。混乱に乗じて複数の患者が脱走し、ジェドもまた巻き込まれる形で外へ逃げ出す。

 逃亡したのはジェド、粗暴で暴力的なバド、女好きで軽薄なジャクソン、精神が不安定なクラリス、そして人質となったリジーだった。ハートマンは彼らを追跡し、逃亡者たちは車を奪いながらテキサスの荒野を移動していく。行く先々で狂気はエスカレートし、ダイナーへ立ち寄ったバドとクラリスは店員たちを惨殺。リジーは隙を見て逃げようとするが、常に監視され続ける。

 逃亡の途中、ジャクソンだけは比較的まともな人物として描かれ、リジーを助けようとする姿勢を見せる。リジーも彼に心を許し始めるが、その一方でハートマンは法を無視した執拗な追跡を続ける。彼はジェドへの復讐に取り憑かれ、部下たちの制止にも耳を貸さなくなっていく。

 やがてクラリスはハートマンに捕まり射殺され、バドもジェドに襲われて命を落とす。そのジェドも保安官に撃たれる。

 リジーはジャクソンとともに逃亡を試みるが、ジャクソンはハートマンに顔を撃たれてしまう。さらにハートマンはソーヤー家と対峙するものの、逆に拘束されてしまう。そこで明かされるのは、顔を撃たれて重傷を負ったジャクソンこそが本当のジェド・ソーヤーだったという事実だった。

 そしてチェーンソーを手にしたジェドは、逃げようとするハートマンを惨殺。完全に“レザーフェイス”へと変貌する。リジーは隙を見て逃げ出そうとするが、最後はジェドに追いつかれ命を奪われる。若きレザーフェイス誕生の惨劇を描きながら物語はおしまい。


 人気キャラクターであるレザーフェイスが、どのように誕生したのかを描こうとした作品であり、その正体を「逃亡した誰なのか」というサスペンス形式で引っ張る構成は面白かったです。暴力的な患者たちに囲まれた人質の逃亡劇としても機能していて、どこへ行っても狂気が付きまとい、いつ誰が殺されるかわからない不穏さが続く点は緊張感がありました。

 さらに、復讐に燃える保安官ハートマンが執拗に追跡してくることで、単なるスラッシャー映画ではなく、逃走劇としての色合いも強くなっていました。狂人たちの暴走に加え、保安官側も徐々に正気を失っていく構図は悪くなく、人間全員が壊れていくような空気はシリーズらしさがあります。

 ただ、スプラッタ映画として観ると、バイオレンス描写はやや控えめで、ビジュアル的なインパクトは物足りませんでした。チェーンソーを使った見せ場も終盤まで少なく、シリーズに期待する血みどろの迫力を求めると肩透かしを受けます。

 また、肝心の「レザーフェイス誕生」の描き方も、個人的にはあまり納得できませんでした。誰がレザーフェイスになるのかというミステリー自体は成立しているものの、真相が明かされた瞬間のキャラクター変化が急激すぎて、「そんな理由で完全に壊れてしまうのか」と戸惑ってしまいます。積み重ねよりもショック演出を優先したように感じられ、人物描写に深みを感じにくかったです。

 さらに、スティーヴン・ドーフ演じる保安官との対決も、もっと熱い攻防になるかと思いきや、結局は無策のまま突っ込んで返り討ちに遭う流れで、知略戦のような盛り上がりはありませんでした。「このファミリーは集団で襲ってくる」と理解していながら普通に捕まってしまう展開には、思わず拍子抜けしてしまいます。

 近年のスプラッタ映画やリブート作品の中でも、独自の強烈さを打ち出すには至らず、シリーズファン向けの前日譚として楽しむ作品という印象でした。ただ、荒涼としたテキサスの風景や、終始まとわりつく不快感の演出には独特の味があり、狂気に満ちたロードムービーとして観ると面白い部分もある作品でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2018/07/13 キネカ大森 2026/05/09 U-NEXT

監督ジュリアン・モーリー 
アレクサンドル・バスティロ 
脚本セス・M・シャーウッド 
製作総指揮トビー・フーパー 
出演フィン・ジョーンズ 
スティーヴン・ドーフ 
リリ・テイラー 
ヴァネッサ・グラッセ 
サム・ストライク 

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