●こんなお話
日本があと1年でしちゃうってんで、頑張る政治家や官僚の話。
●感想
日本の首相が国際会議で海洋施設の計画について語り、政府の肝いりで環境立国としての取り組みを進める様子から始まります。主人公は環境省の課長であり、政府が推進する海洋設備に反対し、関東沈没説を訴える田所博士に会い話を伺います。また、スキューバダイビング中に謎の水流に巻き込まれるなど、何か異常現象が起きている可能性を個人的に感じています。しかし、政府は関東沈没説を抹殺しようとする姿勢を見せており、主人公はそれに異を唱えます。
ドラマの中心となる日本未来推進会議では、一人ずつ順番に話すスタイルが続き、小学校の学芸会のような雰囲気があり、視聴者としてはやや辛く感じられました。大声で順に話す様子は、まるでゆるい【シンゴジラ】を見ているかのようです。
関東沈没の危機感が画面からほとんど伝わらず、会議室のモニターを見つめるだけの田所博士や政治家たちも、会議で話すばかりで映像に変化が乏しく、一体何をしているのか分かりにくい印象でした。
関東沈没が実際に発生し、スカイツリーの足元まで海水が迫っているにもかかわらず、登場人物たちは普通に通勤通学している描写が続き、電気・ガス・水道や物流も通常通り稼働している点はリアリティに疑問を感じました。避難所に訪れた総理が拍手で迎えられるシーンも、民衆の描き方としては違和感がありました。
CGが拙い点が面白さを損なうとは思いませんが、最終話の主人公が輸送機で離陸するシーン以外に見せ場が少ないことは残念に感じました。
物語は関東沈没の是非で揉めた後、避難方針が決まり、推進会議のメンバーがまるで文化祭に挑む学生のように奮闘しますが、ニュース画面では避難の様子が描かれているものの、主人公たちの生活は通常通りで、避難の具体的な方法や問題点は描かれず、リアリティに乏しいまま進行しました。
また、主人公の離婚問題や、アメリカと中国への企業売却、移民受け入れ要請、そして世界にジャパンタウンを提案する秘策も、物語のカタルシスとしては弱く、八方塞がりの中での一発逆転感が不足していると感じました。中国の元主席との交渉も、何を伝えたいのか分かりにくいものでした。
さらに最終話で突如登場する謎のウイルスのエピソードも急展開かつあっさり解決し、視聴者に混乱を与えました。
全体としては、日本沈没のリアルなシミュレーションや緊迫感が乏しく、地味な会議シーンが続くため、期待値が高かっただけに残念な仕上がりとなっています。
☆☆
鑑賞日:2021/12/16 NETFLIX
脚本 | 橋本裕志 |
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原作 | 小松左京 |
出演 | 小栗旬 |
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松山ケンイチ | |
杏 | |
ウエンツ瑛士 | |
中村アン | |
与田祐希 | |
國村隼 | |
小林隆 | |
伊集院光 | |
風吹ジュン | |
比嘉愛未 | |
宮崎美子 | |
吉田鋼太郎 | |
杉本哲太 | |
風間杜夫 | |
石橋蓮司 | |
仲村トオル | |
香川照之 |