ドラマ【SHOGUN 将軍】感想(ネタバレ):家康と五大老の陰謀劇、そして切腹の連鎖──戦国時代を描く異色の歴史ドラマ

Shōgun
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●こんなお話

 関ヶ原前夜で大阪から脱出したり江戸で大阪に降伏するかしないか悩んだりする話。

●感想

 家康が大阪城に呼び出され、家臣団を引き連れて出向くと、そこには石田三成をはじめとする五大老が全員揃っていて、家康だけがのけ者にされる状況。息子もそれに怒りをあらわにする。一方で、イギリスの船が漂着し、浅野忠信の領地で乗組員が尋問を受ける出来事も起こる。

 その後、家康は江戸へと逃れ、イギリス人も同行。通訳として細川ガラシャが同行し、彼女とイギリス人は次第に打ち解けていく。イギリス人は江戸で住まいと妻をあてがわれ、日本での生活を始める。やがて地震に巻き込まれた家康を助ける場面や、大阪脱出後に生き延びて江戸に戻った細川ガラシャの夫が、DV的な言動でトラブルを起こす場面も描かれる。

 家康は最終的に「大阪に降伏する」と決断するが、それに反対する家臣たちと揉めることに。やがて大阪出陣を決意し、弟に協力を求めるものの、弟が五大老の一人となることを条件に、逆に切腹を命じられる展開に。これに家康の息子が激怒して問題を引き起こしたり。

 家康の使者として浅野忠信とイギリス人が再び大阪に向かい、釈明を試みる。同時に、細川ガラシャは大阪城から自由に出られるはずという理屈で、家康の親族と一緒に脱出を試みるが、石田三成に止められ、家臣たちは殺害されてしまう。細川ガラシャは「自由に出られないなら切腹する」と宣言し、事態は緊迫。さらに、忍者軍団に襲撃されるなど混乱が続き、物語の最後には、これらすべてが家康の思惑通りに進んでいたことが明らかになって戦いはこれからだでおしまい。

 外国資本によって制作されているにもかかわらず、会話のほとんどが日本語で進行し、映像はとにかく派手でスタイリッシュ。登場人物たちの話す古風な日本語も、内容が聞き取りづらい分、逆に世界観への没入感を高めてくれました。首が飛び、切腹が行われるなど、現代日本とはかけ離れた価値観が描かれ、戦後教育を受けた身としては驚きの連続でした。

 本作は権力争いを主題にした陰謀劇。セリフ中心で進行するため、登場人物が何に悩んでいるのか、あるいは何を考えて行動しているのかが分かりにくいまま、次々と切腹や死が描かれていく感じで、物語の理解にはかなりの集中力が必要でした。大規模な合戦シーンなどの派手な戦がない点で、物足りなさも感じましたが、それでも「大阪との最終決着」が気になり、続きが見たくなる一作でした。

☆☆☆

鑑賞日:2024/04/24 Disney+

原作ジェームズ・クラヴェル
脚本ジャスティン・マークス
レイチェル近藤
出演真田広之
コスモ・ジャービス
アンナ・サワイ
浅野忠信
金井浩人
平岳大
穂志もえか
西岡德馬
阿部進之介
倉悠貴
二階堂ふみ
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