ドラマ【シー・ハルク:ザ・アトーニー】感想(ネタバレ):法廷と日常、そしてメタ展開の魅力

She-Hulk Attorney at Law
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●こんなお話

 ハルクのいとこが緑の巨人になりつつ弁護士として頑張る話。

●感想

 物語は、弁護士として働くジェニファー・ウォルターズが従兄のブルース・バナー(ハルク)と事故に遭い、彼の血液を浴びてしまったことから始まります。その影響で彼女も緑色の巨人“シー・ハルク”に変身できるようになってしまい、平凡な弁護士人生が大きく狂っていきます。最初は戸惑いながらもブルースの指導で力をコントロールできるようになりますが、ジェニファー自身は「私はただの弁護士でいたい」とヒーロー活動には興味がない姿勢。ここがまず他のMCUヒーローとは違う独特な視点でした。

 その後、彼女はスーパーヒューマンを専門に扱う弁護士事務所に雇われ、シー・ハルクとして法廷に立つことになります。そこではアボミネーションの釈放請求や、ワンとの奇妙な訴訟、さらにはマーベル世界のヒーローやヴィラン絡みの案件など、毎回変わり種の事件を担当していく流れでした。日常パートでは、職場での人間関係や、恋愛アプリでの失敗、シー・ハルクとしての人気とジェニファー本人のアイデンティティとのギャップに悩む姿がコミカルに描かれます。

 シリーズ後半では、ネット掲示板で彼女を攻撃する「インテリジェンシア」という組織が暗躍し、シー・ハルクの力を盗もうとする陰謀が進行。あるパーティで罠にはめられ、ジェニファーのプライベート映像が流されてしまい大混乱に。暴走してしまった彼女は法的にも立場を危うくし、ヒーローとしても弁護士としても窮地に追い込まれます。

 そして最終話では、従来のヒーロー作品らしいクライマックスかと思いきや、ジェニファーが第四の壁を突き破ってDisney+のシステムに飛び込み、製作スタジオに直接文句を言いに行くというメタ展開。お約束の大乱闘や力比べではなく、物語そのものを「書き換える」ことで決着をつけ、普通の生活と弁護士としての仕事を取り戻す、という異色の終わり方になっていました。

 アクションよりもコメディと日常の比重が大きく、正直「マーベルらしい派手さ」を期待すると肩透かしを食らう部分はありました。個人的には終始何の話をしているのか飲み込めないまま毎話終わっていくものでしたが、法廷ドラマやシットコム的な軽さはユニークで、ジェニファーの自虐や皮肉、そしてメタネタを楽しめる人には面白い作品だったと思いました。

☆☆

鑑賞日:2025/08/26 Disney+

監督カット・コイロ
アヌ・バリア
脚本ジェシカ・ガオ
出演タチアナ・マズラニー
マーク・ラファロ
ティム・ロス
ベネディクト・ウォン
レネー・エリス・ゴールズベリー
ジャメーラ・ジャミル
ジンジャー・ゴンザーガ
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