映画【グローリー/明日への行進】感想(ネタバレ):キング牧師と公民権運動の真実を描くセルマの記録映画体験

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●こんなお話

 キング牧師たちが19685年に黒人の選挙権を求めてアラバマ州セルマで行進する話。

●感想

 談笑しながら階段を降りていた黒人の少女たちが、突然襲撃を受ける。そして、黒人女性が選挙権を求めて役所に向かうも、理不尽な質問攻めにあい、納得のいかない理由で不合格とされる。そんな2つのシーンから始まる。

 物語は、キング牧師が公民権運動に力を注ぎ、数々の困難に立ち向かっていく姿を描いていく。時のアメリカ大統領もどこか煮え切らない態度を取り続ける中で、キング牧師はアラバマ州セルマでの大規模な行進を計画。その計画が徐々に形になりながらも、途中では流血の惨事が起こるなど、簡単には進まない道のりが続く。

 映画のクライマックスは、有名な「橋の行進」。そこで描かれるのは、ただのデモ行進ではなく、国家を揺るがすほどの民衆の力と、それを止めようとする権力の衝突。そしてやがて、その運動は国を動かすほどの大きな波へと成長していく。アメリカという国が持つ、声を上げる力、団結する力、そして変えていく力に胸を打たれます。

 この映画は、歴史的事実をもとにした教科書のようなつくりで、特に大きな演出やドラマチックな盛り上がりはなく。ただ、それが逆にリアルで、淡々とした語り口だからこそ当時の空気感が強く伝わってきます。感情を煽るのではなく、観る側にじわじわと重みを感じさせる130分でした。

 正直、盛り上がりに欠けると感じる場面もあったり、真面目すぎる作風に退屈さを覚えることもありましたが、歴史を知るうえでは非常に有意義な内容でした。アメリカの過去に実際にあった出来事を学べる、貴重な映画体験でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2016/02/04 DVD

監督エヴァ・デュヴルネ 
脚本ポール・ウェッブ
出演デヴィッド・オイェロウォ 
トム・ウィルキンソン 
ティム・ロス 
カーメン・エジョーゴ 
オプラ・ウィンフリー 
ジョヴァンニ・リビシ 
アンドレ・ホランド 
ルーベン・サンチャゴ=ハドソン 
コールマン・ドミンゴ 
オマー・J・ドージー 
テッサ・トンプソン 
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