映画【リベンジ・オブ・ウォー】感想(ネタバレ)裏社会の女王が支えた復讐劇

●こんなお話

　上官に騙されて仲間を皆殺しにされた主人公がリベンジする話。

●感想

　マルタを訪問中のアメリカ大統領を主人公ライダーが狙撃するという衝撃的な場面から始まる。世界を揺るがす一瞬の事件の背後にどのような経緯があったのか、物語はそこから半年前へと遡っていく。ライダーは長年の戦いを経て引退を考えていたが、旧友たちとの再会によって再び戦場へと呼び戻される。そして彼が挑むことになるのは、リビアの軍事指導者を暗殺するという極秘任務であった。

　しかし任務は周到に仕組まれた罠であり、仲間たちは次々と命を落としてしまう。裏切りの黒幕は信頼していた上官のハートで、彼は敵と手を組んでいるだけでなく、戦友の妊娠中の妻をも銃で撃ち殺すという冷酷さを見せる。奇跡的に生き延びたライダーは、失われた仲間たちのために復讐を誓い立ち上がる。

　ハートはその後、大統領の側近へと出世し、権力の座に収まっていた。ライダーの生存を知ると彼は警戒を強めるが、ライダーは裏社会を仕切る元恋人セリーナに接触する。彼女の協力を得て、大統領誘拐という大胆な計画を実行に移す。狙撃によって混乱する中、大統領はセリーナが運転する救急車に乗せられ、その姿はメディアの前に引き出される。真実を語らせることで世界に隠された陰謀を暴き、最後は南国のリゾートでくつろぐハートの車を爆破し、ライダーはついに復讐を果たす。

　この作品では、元恋人セリーナの存在感が際立っていたと感じます。彼女は主人公の作戦を成功へと導くほどの戦略眼と戦闘力を持ち、物語に大きな重みを与えていました。アクション映画ではあるものの、派手な戦闘シーンよりも仲間を失う悲劇や、信じていた上官への復讐という人間関係のドラマが中心となっています。テンポは淡々としていて大きな感動を誘う場面は少なかったのですが、その静かな進行の中で、裏切りや復讐というテーマがじわじわと観客に迫ってくるような作品でした。

☆☆

鑑賞日:2025/05/26 WOWOW