●こんなお話
ゴミ捨て場で火災が発生するけど放射性物質があったり台風が接近してきたりで香港が壊滅するかもという危機を突破しようと頑張る人たちの話。
●感想
物語は1996年、主人公が香港からの有害廃棄物の輸出に関する規制についてスピーチを行う場面から始まる。そして時代は2006年へ。
消防隊が訓練を行う中、主人公は環境汚染の専門家として活動している。家では娘、義母、そして消防士である義弟との夕食会に参加するが、義弟との関係は最悪で、彼からは強い反感を抱かれている。過去の回想では、消防活動中に爆発事故が起こり、主人公の妻が殉職したことが明かされる。娘は留学を控えているが、予定を主人公に相談せず進めていたことで、彼は苛立ちを隠せなかったり。
一方で、不法労働者たちがゴミの中から見つけた光る物質を面白がってアクセサリーにしてしまう描写があり、それは放射性物質とか。その頃、ゴミ処理場から火災の通報が入り、消防隊が出動。現場では消火活動中に燃料が大爆発を起こし、隊員2名が取り残される。主人公はその現場で、放射線障害らしき症状の人間を目撃。取り残された隊員たちは、不法労働者を救おうとしていた。
さらに事態は悪化。放射性物質に水をかけると爆発する危険性があり、タイミング悪く熱帯低気圧も接近中。主人公は、雨が降れば大惨事になると警鐘を鳴らす。救助隊は裏ルートから現場に突入し、なんとか少年と隊員1名の救出に成功するが、被曝リスクがさらに広がっていく。
分析の結果、現場で見つかった物質は1987年にブラジル・ゴイアニアで実際に起きた被曝事故と同じもので、このままでは「香港が100年住めない土地になる」と判明。主人公は住民の避難を提案するが、真実を公表すればパニックになると反対される。そこで彼は独断でメディアに情報をリーク。結果、機密漏洩として非難されるが、最終的に政府高官の判断で避難が決定。
事態を収束させるべく、主人公自身も含めて消防隊員たちが放射性物質の処理ミッションに志願。現場に突入し、放射線源を探し当てるが、誤って爆発させてしまい撤退を余儀なくされる。追い詰められる中、民間の富豪が所有する超高層ビルを爆破してコンクリートで封じ込めるというアイデアが浮上する。しかしその富豪は違法産廃ビジネスをしていたことが発覚。罪をもみ消すことを条件に爆破の許可を出すという話になり、主人公は反対するが、最終的に上層部は許可を出す。
作戦が決行され、爆弾の設置と残された隊員の救助が同時進行。爆破装置を起動するために誰かが現場に残らなければならず、残るべきかどうかという葛藤が描かれる。さらに、起爆を命じるか否か、上層部の決断にも重みがのしかかって…。という。
冒頭で登場人物がカタカナ表記で表示されるテロップのため、誰が誰か混乱してしまいました。日本人は漢字を読めるので漢字にルビを振るほうが理解しやすかったと思いました。結果として、誰がどの隊員でとかが把握しにくくなってしまい、せっかくの決死の救出劇も感情移入しづらかったのが正直なところです。
ただし最初の大爆発で高速道路まで吹き飛ぶ派手なシーンをはじめ、手に汗握るスペクタクルな映像は満載。ディザスタームービーとしては見応えたっぷりでした。命を賭ける消防士たちの姿を通して職業ドラマとしての側面も強く、香港では放射能災害も消防士が対応するということに驚かされました。
ただ、悪役の表現がいかにもで、葉巻をふかしてステーキを食べるという古臭い演出は正直やりすぎに感じた。フィクションとはいえ、エンディングで各キャラクターのその後の裁判結果などが表示されるのも、感情の持っていきどころに戸惑う締めくくりの1本でした。
☆☆☆
鑑賞日:2025/06/01 イオンシネマ座間
監督 | アンソニー・プン |
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アクション監督 | ジャック・ウォン |
脚本 | マク・チンシュー |
サム・クアンシン | |
ワン・インイウ | |
フランシス・トー | |
オスカー・ファン |
出演 | アンディ・ラウ |
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バイ・ユー | |
カレン・モク | |
ツェー・クワンホウ | |
イヴァナ・ウォン | |
ルイーズ・ウォン | |
フィッシュ・リュウ | |
ホ・カイ・ワ | |
ジェフリー・ガイ | |
リャン・チョンホン | |
ケニー・ウォン | |
ロッカー・ラム | |
ウェスリー・ウォン |