映画【万能鑑定士Q モナ・リザの瞳】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 何でも鑑定してしまう凄腕の鑑定士がモナリザが日本にやってくんぞってんで、学芸員としてのテストを受けるけど。陰謀があるらしいぞってなって……な話。

●感想

 貴金属やら宝石やら以外にも身に着けてるものとか何でも一目見ただけで鑑定しちゃうというもはや特殊能力の主人公。そこにダメダメな記者さんが目をつけて取材をする。ルーブル美術館で実施される採用テストが描かれていきます。主人公の特殊能力が発揮される描写とかぶっ飛んだキャラクターという面白さがある作品でした。


 ただ、このテスト自体がそんなに面白くもなく、結構退屈な序盤でした。万能鑑定士である主人公がフランス語全然話せないのに、一夜漬けで書物を読むとペラペラになるジーニアスぶりとかは面白かったです。

 主人公がテストを受けていくうちにめまいに襲われて、中盤からはそれまで全然見せ場のなかった記者さんが主人公に起こった身の異変からモナリザを狙った陰謀があきらかになっていく。
 ミステリーものの宿命か、基本全部のコロガリが台詞で行われるのが辛いです。あーでこーでこうなった、というのを全部、棒立ちの登場人物たちの口から語られる。その陰謀自体も今のご時世にそんな理由? とチト古くさくてテンション下がりました。

 主人公が犯人たちを追いかけて、「あっちだ! こっちだ!」と走り回る。というのもヴィジュアル的な面白さもこれといってなく。主人公は全くの部外者なのに警察に指示できたりするのが気になってしまいました。しかも一目見た壁に貼ってあった写真や新聞記事を思い出して、「〇〇ホテルのごみを調べましょう」「勝どきばかりのレシートがあるのでそこの高層ビル」と簡単に次のポイントに移動できちゃったりするのとかもありえなさばかりが目に付いてしまって入り込めなかったです。

 謎解きとしても魅力がなく、犯人との追いかけっこの緊張感もさしてないので。どこを見て緊張感を引っ張っていけばいいのか戸惑う映画で残念でした。犯人側の恋愛ものとしての魅力もさしてなく、女性が実は恋愛関係でもなく、使い捨ての存在だと気づいたことによる失恋のような描写もこれといって心が動くものでもなかったです。
 そもそもモナリザの重要性、大切さを見せてからモナリザを巡っての攻防にしないと、よくわかってないと何で絵1つにそこまで泣いたりするのだろう? と呆然としてしまう展開でした。

☆☆

鑑賞日: 2014/05/26 試写会 2021/02/26 NETFLIX

監督佐藤信介 
脚本宇田学 
原作松岡圭祐 
出演綾瀬はるか 
松坂桃李 
初音映莉子 
ピエール・ドゥラドンシャン 
橋本じゅん 
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