●こんなお話
朝鮮戦争で不利な状況の国連軍がマッカーサーの命令で北朝鮮に占領された仁川に潜入して機雷の海図を奪おうとする韓国軍人の話。
●感想
列車の中で北朝鮮の兵士と会話していた主人公は、ある任務のためその兵士を殺害し、彼の軍服を着て仲間とともに潜入を開始します。目的は、北朝鮮軍が仕掛けた機雷の位置を示す「海図」を奪取すること。主人公たちは北朝鮮の高官たちの会議に参加したり、クラブで女性たちと関わる中で尋問をかわすなど、緊張感のあるスパイ活動を展開していきます。
作戦の重要な協力者として登場するのが、北朝鮮軍高官が通う床屋の主人です。彼は実は韓国側の協力者であり、主人公たちと連携して海図の保管場所に侵入する計画を進めますが、銃撃戦の末に仲間が次々と戦死し、肝心の海図も燃やされてしまいます。
やがて床屋の協力も発覚し、彼は北朝鮮軍により殺害されます。主人公たちは、海図を知る北朝鮮の軍人が病院にいることを知り、その軍人を誘拐しようと計画。病院で再び激しい銃撃戦とチェイスが繰り広げられ、またしても仲間が1人、また1人と命を落としていきます。
物語のクライマックスでは、マッカーサー元帥率いる国連軍の上陸作戦を支援するため、主人公が照明弾を発射して作戦の開始を知らせます。最終的に、北朝鮮に残してきた母親を思いながら、主人公は重傷を負いながらも任務を完遂します。
物語のテンポは非常に速く、冒頭わずか5分で潜入作戦が始まる構成となっており、感情的な準備が整う前に次々と大きな展開が押し寄せます。しかしながら、チームメンバーの個別の背景描写がほとんどなく、名前すら覚える前に退場してしまうため、感情移入がしにくい部分がありました。
また、演出面では、スローモーションで撃たれるシーンや、壮大な音楽が頻繁に流れるなど、大げさな演出が続き、ややくどく感じる場面もございました。
一方で、戦争アクション映画としての迫力や緊迫感は非常に高く、銃撃戦やスパイ的な潜入劇がテンポ良く展開されるため、エンターテインメント性は十分に感じられました。マッカーサー元帥の描写に多くの時間が割かれているのも印象的で、彼の人格者としての一面を強調する演出となっています。
やや感情移入しづらい部分もありましたが、迫力とスピード感にあふれた戦争サスペンス映画として、最後まで退屈せずに楽しむことができる作品でした。
☆☆☆
鑑賞日: 2018/02/08 DVD 2024/10/30 Amazonプライム・ビデオ
監督 | イ・ジェハン |
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脚本 | イ・ジェハン |
イ・マニ |
出演 | イ・ジョンジェ |
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イ・ボムス | |
リーアム・ニーソン |
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