映画【ネイビー・シールズ(1990)】感想(ネタバレ):ネイビーシールズの任務と日常を描くアクション群像劇

Navy-Seals
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●こんなお話

 中東のテロリストと戦うネイビーシールズの話。

●感想

 物語はアメリカ軍のヘリコプターが敵によって撃墜される場面から始まる。ネイビーシールズの精鋭部隊が出動し、乗組員の救出作戦に臨む。激しい銃撃戦の中で、主人公たちは無事に味方を回収するが、同時にテロリストのボスを取り逃がしてしまう。また、発見されたスティンガーミサイルの破壊を試みる主人公だったが、上層部からの命令は即時撤退であったため、その場を離れることになる。

 帰還後、ミサイルを破壊しなかった判断や、テロリストを取り逃がした件について、主人公たちは厳しい詰問を受ける。隊長や主人公は、現地でテロリストに接触したことのある女性ジャーナリストからも情報を聞き出そうとする。日常に戻ってもネイビーシールズの任務は苛烈で、結婚式の最中でもポケベルで呼び出され、即座に任務へと向かう。仲間と束の間の余暇を楽しむゴルフの場面なども描かれるが、その平穏はすぐに任務によってかき消されてしまう。

 やがてテロリストのボスの家族を拉致するという作戦が発動される。しかし作戦中、主人公は命令を無視して単独行動に出てしまい、その結果、仲間の一人が戦死してしまう。戦死の知らせを家族に伝える場面は静かで重く、言葉少なに心情が描かれる。一方で、隊長がジャーナリストと関係を持つ場面も描かれ、任務と私生活の境目が曖昧な彼らの日常を象徴している。

 その後、テロリストがミサイルを隠している場所が判明し、部隊は内戦状態にある国へと潜入する。街中での銃撃戦や激しいカーチェイスを経て、部隊はミサイルの隠し場所である建物を爆破する。負傷者や戦死者が出る中、彼らは最終的に脱出地点へと到達し、海上で待つ潜水艦に向かって移動する。

 銃撃の描写は非常に激しく、当時のアクション映画らしい演出が多く取り入れられておりました。ヘルメットをかぶらず、役者の顔がしっかりと見えるように工夫された構図や、現場で暴走気味になる主人公とそれを止める冷静なリーダーという構図も、いわゆる定番のキャラクター配置として楽しめました。

 ただ、物語の進行はやや断片的に感じられる部分も多く、テンポよく盛り上がっていくというよりは、場面ごとにパッチワーク的に印象が残っていくような印象でした。特に女性ジャーナリストとのくだりについては、必然性があまり感じられず、夜の海辺で会話する場面などは全体の流れを考えると少し浮いていたように思います。また、隊員たちがゴルフを楽しんで車をレッカー移動されてしまう場面も、物語上の役割は少なく、少々冗長に感じられる場面だったかもしれません。

 それでも、俳優たちの存在感やチーム内のやり取りには見どころがあり、各人の個性がシンプルに描かれていたため、観ていて飽きがこない構成になっていたと思います。アクション映画としての魅力を素直に楽しめる一本でした。

☆☆☆

鑑賞日:2023/03/14 WOWOW

監督ルイス・ティーグ 
脚本チャック・ファーラー 
ゲイリー・ゴールドマン 
出演チャーリー・シーン 
マイケル・ビーン 
ジョアン・ウォーリー・キルマー 
ニコラス・カデ 
リック・ロッソヴィッチ 
デニス・ヘイスバート
ビル・パクストン 
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