映画【エルム街の悪夢2 フレディの復讐】感想(ネタバレ):フレディが肉体を侵す異色ホラー続編

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●こんなお話

 前作の主人公の家に引っ越してきた今作の主人公がフレディに襲われる話。

●感想

 スプリングウッドで連続殺人事件が発生してから数年後、かつてナンシー・トンプソンがフレディ・クルーガーと死闘を繰り広げたエルム街の家に、ウォルシュ一家が新たに引っ越してくる。高校生のジェシー・ウォルシュは入居直後から不穏な夢を見るようになり、スクールバスが荒野を暴走し、運転手がフレディへと変貌する悪夢にうなされる。その夢は単なる幻想に留まらず、家の中が異様な熱に包まれたり、電化製品が勝手に作動したりと、現実世界にも奇妙な影響を及ぼし始める。

 ジェシーは同級生のリサと親しくなり、違和感の正体を探るため家の中を調べるうち、押し入れの奥で前の住人ナンシーが残した日記を見つける。そこには、夢の中で人を殺す殺人鬼フレディ・クルーガーの存在と、その恐怖の記録が記されていた。ジェシーはフレディの存在を知るが、悪夢は次第に「見る」ものから「自分が関与している」ものへと変質していく。

 ある夜、体育教師シュナイダーが夢の中でフレディに惨殺される光景を目撃したジェシーは、翌朝、その教師が学校のシャワールームで殺害されていたことを知る。しかも現場にいたのはジェシー自身だった。自分が眠っている間に殺人を犯しているのではないかという疑念と恐怖が、彼の精神を追い詰めていく。

 フレディの正体は、悪夢を通じて現実に干渉する存在に留まらず、ジェシーの肉体を「器」として利用し、完全に現実世界へ復活することを狙っていた。フレディはジェシーの精神を徐々に侵食し、内側から支配を強めていく。

 リサの家で開かれるパーティーの夜、自分の中にフレディが潜んでいることを恐れたジェシーは、親友グラディの家に身を寄せる。しかしそこでジェシーは完全にフレディに支配され、肉体を突き破るようにフレディが出現し、グラディを惨殺する。再びジェシーの中へと戻ったフレディは、殺人の記憶と罪悪感だけを彼に残す。

 限界まで追い詰められたジェシーは、リサに真実を打ち明け助けを求めるが、その直後、プールパーティーの最中にフレディは再び肉体から解き放たれる。異常な高温によってプールの水は沸騰し、炎と混乱の中で若者たちが次々と犠牲になる。

 リサはフレディの力の源が恐怖であることに気づき、ジェシーを追ってフレディがかつて働いていた発電所のボイラー室へ向かう。そこでリサは、ジェシーの中に残る人間性を信じ、愛を告げることで恐怖に屈しない意思を示す。その行動によりフレディは弱体化し、炎に包まれて消えていく。

 ジェシーは解放されたかのように日常へ戻るが、再びスクールバスに乗った彼の前に、かつてと同じ悪夢の光景が現れ、フレディの存在が消えていないこと示されておしまい。


 特殊メイクの楽しさが随所にあり、オープニングの崖から落ちそうになるスクールバスや、崩れ落ちるフレディ、主人公の身体の内側から現れる演出などは素直に楽しめました。視覚的なアイデアに関しては、シリーズらしい工夫が感じられます。

 一方で、夢を見る、襲われる、驚かされるという展開が繰り返され、場面を入れ替えても成立しそうな構成が続く点は単調に感じられました。

 ただ、登場する若者たちが全体的に地味で、主人公やその恋人の印象が残りにくく、感情移入しづらかったです。誰が襲われても物語上の重みを感じにくく、キャラクターの魅力という点では弱さを感じました。

 また、本作ではフレディが主人公の体を通じて現実世界で直接殺戮を行う場面が多く、夢の中で襲われるというシリーズ特有の感覚が薄れているように思えます。プールパーティーの場面では、フレディが公然と現れて次々と人を殺していき、その光景をどのような心持ちで受け止めればよいのか戸惑いが残りました。

 終盤には唐突に人面犬のような存在が登場するなど、設定が十分に整理されないまま進んでいく印象もあり、80分余りの上映時間の中で、前作の魅力が少しずつ遠ざかっていく感覚を覚えました。アイデアや造形の面白さはあるものの、全体としては評価が難しい続編だと感じました。

☆☆☆

鑑賞日:2020/06/24 DVD 2025/12/16 U-NEXT

監督ジャック・ショルダー 
脚本デイヴィッド・チャスキン 
出演マーク・パットン 
キム・マイヤーズ 
ロバート・ラスラー 
クルー・ギャラガー 
ホープ・ラング 
マーシャル・ベル 
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