●こんなお話
証人を殺すために飛行機ごと落とそうとマフィアが毒蛇を飛行機に放ってパニックになっちゃう話。
●感想
飛行機という密室空間に、突然無数の蛇が現れる――という直球でシンプルな発想を、そのまま大胆にパニック映画へと昇華させた本作。アイデア一本でぐいぐい押していく構成が潔く、最初から最後までテンポよく進んでいく娯楽映画でした。飛行機の離陸から間もなく、貨物室に仕掛けられた箱が開き、そこから這い出してくる大小さまざまな蛇たち。客室を縦横無尽に這い回るその姿は、視覚的なインパクトも大きく、観ていて思わず笑ってしまうようなパニックが次々と繰り広げられていきます。
劇中では猛毒を持つ蛇や、異常に俊敏な動きをする蛇など、実に多彩な種類が登場し、ひとたび牙をむけば乗客たちは大混乱。絶叫と混乱が交差する中、人々が次々と倒れていくシーンには、ある種のブラックコメディ的な面白さすら漂っており、そうした「やりすぎ感」を楽しむタイプの作品なのだと感じました。
主人公はFBIの捜査官で、彼が護送している重要証人が乗っているという理由で事件が発生。乗客の安全確保と蛇の駆除を両立させるために奮闘します。演じる俳優が非常に落ち着いた演技を見せており、どんな混乱の中でも冷静に行動する姿は安心感がありましたが、そのぶん盛り上がりの起伏がやや物足りなく感じられる部分もありました。
また、乗客の中にはプロのキックボクサーやモデルなど、バラエティに富んだ顔ぶれが揃っていて、最初はキャラクターごとの見せ場があるのかと期待してしまうのですが、物語が進むにつれて多くの人物が背景化していき、結局は目立たないまま終わってしまうという印象もありました。
クライマックスでは、パイロット不在の飛行機を着陸させるために、なんとゲーム好きの青年がコントロールを握るという突飛な展開も登場。ここはあまりに荒唐無稽ではあるのですが、その突き抜けたノリがむしろ心地よく、笑いと驚きが同時にやってくるような瞬間でした。
リアルな恐怖や緊張感というよりは、アイデア勝負で押し切るB級娯楽映画としての魅力が詰まった一本で、何も考えずに観るには最適なエンタメ作品だと思います。あらゆる突っ込みどころを含めて楽しむスタイルが合っているように思いました。パニック映画というより、パニック風コメディとでも呼びたくなるようなユルさが、個人的には好感を持てました。
☆☆☆
鑑賞日: 2017/01/24 DVD
監督 | デイヴィッド・リチャード・エリス |
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脚本 | ジョン・ヘファーナン |
セバスチャン・グティエレス | |
原案 | デイヴィッド・ダレッサンドロ |
ジョン・ヘファーナン |
出演 | サミュエル・L・ジャクソン |
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ジュリアナ・マルグリーズ | |
ネイサン・フィリップス | |
ボビー・カナヴェイル | |
フレックス・アレキサンダー | |
トッド・ルイーゾ |
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