映画【モスル あるSWAT部隊の戦い】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 廃墟となった街で特殊部隊が独断で動いてISISのアジトに乗り込む話。

●感想

 街の全てが壊れているという場所で警官の主人公が特殊部隊にスカウトされて、しかもその部隊は家族がISISに殺された人たちの集まりで独自に隊長の判断である任務に就いているらしい。主人公の警官とともにその特殊部隊と一緒に行動して、襲ってくる敵対勢力と戦っていきます。

 ド迫力の戦闘にしかもその戦闘も手りゅう弾を間違って投げたり味方を誤射したり戦場のパニックが表現されていて、凄腕の兵隊でもそういうことをするんだというのが新鮮でした。役者さんたちが本物の特殊部隊にしか見えず、プロフェッショナルな動きとかも素晴らしかったです。それにハリウッド映画で全編アラビア語の役者さんたちが主演というのも凄いです。

 ただ、主人公が家族を殺されたからという理由だけで、さっきまで警官だったのにすぐスカウトされて特殊部隊にジョブチェンジというのもどういう採用システムなのだろうかと思える急な採用でしたし、肝心の戦闘シーンも単調に感じて戦争エンタメとして盛り上がれることは少なかったです。そのため、序盤に主人公の警官としての戦闘があり、その後は特殊部隊と一緒に移動していく時間が長く退屈でした。そして戦闘が始まっても激しい銃声が響くだけで盛り上がることはなく。

 途中でイランの特殊部隊と銃弾とたばこを交換するというのとかで異様な緊張感があったりするのは面白かったです。

 そして特に説明がない隊員たちが1人また1人とやられていきますが、知らないおじさんがいなくなっていくだけなので、どちら様状態でした。そういう戦場のあっけない死というのを描いているのかもしれないですが、エンタメ映画としては感情移入とかはできなかったです。それに比べてしっかりと描かれている隊長さんとかは熱いキャラクターでした。

 ずっと特殊部隊の任務についてわからないまま行動する主人公が武市半平太に使われる岡田以蔵のような気がして、もっと自分が何のために戦っていてどこのこの部隊が向かっているのか気にならない者だろうかと考えてしまう映画でしたが、最後に明らかになるところであまりにも救いがないモスルの現状を知れて、平和に映画として見られる日本でよかったと感じることができました。

☆☆☆

鑑賞日:2021/12/24 TOHOシネマズシャンテ

監督マシュー・マイケル・カーナハン 
脚本マシュー・マイケル・カーナハン 
製作ジョー・ルッソ 
アンソニー・ルッソ 
出演スヘール・ダッバーシ 
アダム・ベッサ 
イスハーク・エリヤス 
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