映画【イップ・マン 葉問】感想(ネタバレ):香港で描かれる誇りと友情のカンフーアクション

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●こんなお話

 香港で武術官を開こうとするけど、地元の武術家たちと争いになったり。イギリス人にバカにされて中国武術の誇りのために戦う話。

●感想

 香港に渡ったイップ師匠は、そこで武術館を開こうと考えていた。だが地元の武術家たちから反発を受け、弟子たちが他流派と揉め事を起こしたことから、やがて師匠同士の対決にまで発展する。さらに、当時の香港を支配していたイギリス人たちから侮辱を受け、中国武術の誇りをかけて戦うことになる。

 物語の前半は、イップ師匠と地元武術家との交流と衝突が描かれ、武術を教えるという平穏な試みがいかに困難であったかが示される。やがて弟子の行動が発端となり、街の武術家たちとの手合わせが続く中で、イップ師匠の技と精神が際立っていく。そして後半は統治者であるイギリス人が横暴に振る舞い、それに中国人たちが立ち向かう展開へと移っていく。

 見どころのひとつは、開始40分ほどから描かれるドニー・イェンとサモ・ハンの壮絶な対決である。拳と蹴りがぶつかり合う応酬はあまりに激しく、あまりの迫力に笑いが込み上げてしまうほどでした。また、弟子を助けるために何十人もの相手をなぎ倒していくシーンなど、アクションが惜しみなく盛り込まれていて、見ていて心躍るカンフー映画となっていると思います。

 さらに後半は『ロッキー4』を思わせる流れが用意されていて、イップ師匠が追い詰められ、ノックアウト寸前まで追い込まれながらも、仲間であるコウ師匠を思い出し再び立ち上がる。その逆転劇に川井憲次の音楽が重なり、初作のクライマックスを超える盛り上がりを感じさせてくれる場面となっていました。

 一方で、前作で日本軍に撃たれてしまった友人が再登場するものの、本筋に深く関わらないまま終わってしまった点は少し気になりました。しかし全体としてはアクションの魅力が凝縮された楽しい作品であり、スクリーンいっぱいに広がる熱気と武術の迫力を味わうことができる映画だったと思います。

☆☆☆☆

鑑賞日:2011/06/14 Blu-ray 2020/08/19 Blu-ray

監督ウィルソン・イップ 
アクション監督サモ・ハン・キンポー 
脚本エドモンド・ウォン
出演ドニー・イェン 
サモ・ハン・キンポー 
ホァン・シャオミン 
リン・ホン 
ルイス・ファン 
ダーレン・シャラヴィ 
ケント・チェン 
サイモン・ヤム 
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