映画【幻の光】感想(ネタバレ)

Maborosi
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●こんなお話

 旦那さんを亡くして金沢の漁師さんのところへ再婚する話。

●感想

 理由がわからず不明瞭な死を遂げた前夫。その存在が今の夫との幸せ尾を感じれば感じるほど自分の身にのしかかってきて、今の幸せをそのまま受け入れられなくなる。
 冒頭は主人公の幼少時代に祖母がいなくなってしまうところから始まり、大人になって江角マキコさんとその夫である浅野忠信さんとの幸せな日々。ところがある日、警察がやってきて夫が線路を歩いていて列車に轢かれたと聞かされる。

 身近な人の死を受け止められないことによる自責の念や子どもや現在の夫との幸せな日々での笑顔。ふとした光景に落ち着いたり現在の夫に甘えて見たり、ところが親しくなった漁師の老婆が海に出て帰ってこないときにまた身近な人の死が目の前に近づく恐怖。
 また弟の結婚式で地元に戻った時に、前夫の事を思い出してしまう。

 小津映画のオマージュも随所にあり、映像も美しく。子どもが2人で遊ぶときの美しい光。トンネルを走り抜けてその奥の光。主人公の江角マキコさんの抑制された演技に特に何も話さないけどいるだけで多くを語ってくれる柄本明さんの存在感ある老人役。
  
 話は暗いし映像も暗いし寒い。それにほとんどアップがなく登場人物の感情を読み取ることが難しいし盛り上がりもなく淡々としてるので退屈ですが、はっとする映像で惹きつけられ、心象を台詞で説明するのではなく映像で見せてくれて叙情豊かで作品でした。

☆☆☆☆

鑑賞日: 2013/05/25 Hulu

監督是枝裕和 
脚色荻田芳久 
原作宮本輝
出演江角マキコ 
内藤剛志 
浅野忠信 
柄本明 
赤井英和 
寺田農 
大杉漣 

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