●こんなお話
在日韓国人ファミリーヒストリーとか芸能界で頑張る話。
●感想
難病を患ってしまった子どもの治療費を稼ぐために兄は犯罪行為に走り、妹さんは芸能界でサバイバルしていく姿を描きつつ彼らの父親が強制連行されて必死に生き抜く姿が挿入されます。
メインとなる人物たち特にお兄さんのほうが描ききれていないように思えました。妹さんは、芸能界で在日ということで偏見の目で見られて苦労していくのが描かれますが。お兄さんは捕まりそうになっても逃げてるだけで、なんやかんや最後は試写会に普通にいたりするし。そこで何故か喧嘩になるし。彼らと仲良くなる佐藤という人物も普通に出てくるし。子どもの病気も結局どうなったのかわからないし。それでいて、クライマックスは戦争映画の試写会で自分の出自を語る妹と戦争映画の再現と父親たちが爆撃されていく壮絶なシーンの3つのカットバックで盛り上げていく手法ですが。これが全く盛り上がらない。自分の出自を語ったところで、一体何を思えばいいのか? お父さんたちが必死に生き抜く姿をあんな短時間で描写されても何の感情を揺さぶられることはないです。それよりもチャンス君の病気を何とかしてあげろよと思ってしまいます。
「何で芸能界で在日って隠すの?」とか「朝鮮人なんかに生まれたくなかった!」と面白い台詞も出てくるんですが。そのどれの答えも平凡だし答えを出していないしで面白くもなんともないです。
そして出てくる日本人たちが、やんちゃすぎるので日本人がイヤになる映画でもありますし。あまりに朝鮮人がオラオラと自分たちの意見を押し付けてくるので、これまた朝鮮人が嫌いになりそうな映画でした。どっちの目線にもたてない映画で困ってしまいました。爆撃シーンの迫力たるや物凄くて、そこだけ戦争映画になっていて浮いてました。
☆☆
鑑賞日:2012/07/08 Hulu
監督 | 井筒和幸 |
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脚本 | 羽原大介 |
井筒和幸 |
出演 | 井坂俊哉 |
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西島秀俊 | |
中村ゆり | |
藤井隆 | |
風間杜夫 | |
キムラ緑子 | |
手塚理美 | |
キム・ウンス | |
今井悠貴 | |
米倉斉加年 | |
馬渕晴子 | |
村田雄浩 | |
ラサール石井 | |
杉本哲太 | |
麿赤兒 |