映画【顔】感想(ネタバレ)

kao
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●こんなお話

 逃亡生活をしていくうちに生きる意欲がわいてくる人の話。

●感想

 引きこもりの主人公が美人の妹を殺してしまって逃避行をする。そこで出会う人たちに触れていくうちに、しだいに表情を取り戻していく。何と言っても藤山直美さんの圧倒的存在感が素晴らしくて、ファーストシーンとラストシーンで同じ役者さんがやっているとは思えない表情の違い。

 殺人を犯して、様々な場所へ逃げていく。そこで恋をして友だちもできて、乗れなかった自転車を覚え泳ぎ方もならったりする。レイプだけどセックスも覚えたり、レイプされたのにお金を渡して「とっとけ!」と言ってしまう主人公。いろんな経験をしてしだいに主人公に自我が芽生えていくのが手に取るようにわかるので、主人公を応援したくなるのだと思いました。
 主人公の藤山直美さんも素晴らしいですが、主人公が惚れる佐藤浩市さんもカッコいいですし、岸部一徳さん、豊川悦司さん、大楠道代さん、國村準さん。みなさん素晴らしかったです。

 今まで社会から離れた場所で生きてきた人間がいろんな場所へ行き、いろんな人に出会い、酷い目にも遭い、別れて、恋もして幸せも感じる。そして活き活きとした表情になって人間的になっていく成長物語。逃避行でもあるのに人間的になっていくのをコミカルに見せていくのが素晴らしかったです。
 妹殺しだし他にも死人がいっぱい出るし、阪神大震災も出てくるしで暗いモチーフなのに、どこか笑える不思議な魅力の映画でした。
 人間、どんな状況になろうとも生きていけるんだと教えてくれて、殺人犯なのに逃げ切って欲しいと思ってしまう映画で素晴らしかったです。

☆☆☆☆☆

鑑賞日:2013/10/05 DVD

監督阪本順治 
脚本阪本順治 
宇野イサム 
出演藤山直美 
佐藤浩市 
豊川悦司 
大楠道代 
國村隼 
牧瀬里穂 
渡辺美佐子 
中村勘九郎 
岸部一徳 
内田春菊 
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