映画【KANO 1931海の向こうの甲子園】感想(ネタバレ):異文化が織りなす青春ドラマ!台湾高校野球部と日本人監督の熱き絆

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●こんなお話

 日本統治下の台湾で甲子園を目指した高校球児たちと監督の話。

●感想

 台湾の高校に赴任してきた野球部の日本人監督が、のんびりした弱小チームを厳しいトレーニングで鍛え上げていく姿を描いています。生徒たちは「甲子園!甲子園!」と口にしながら練習に励みますが、最初の地区大会では勝てず、3年生は涙ながらに卒業していきます。

 翌年、チームは地区大会を順調に勝ち進み、ついに決勝で勝利を収めて甲子園出場を果たします。その間、エース投手は幼馴染の結婚で複雑な気持ちを抱えつつも、マンゴーづくりの専門教師から「根に釘を打つとピンチに強く育つ」と教わり、精神的にもたくましく成長していきます。

 また、ダムを建設する日本人技師が野球部の生徒たちの姿に心動かされ、農業の発展に寄与するエピソードも丁寧に描かれています。

 準決勝では北海道の強豪校のエースがパニックに陥り降板、決勝戦は投手戦となりますが、エースが負傷しながらも続投。コントロールが乱れて点差が開き、9回裏に追い詰めますが敗北となります。そして、主人公たちは帰国の途につきます。

 スポ根の王道を貫きつつ、異なる民族が共に甲子園を目指す時代背景が加わり、3時間の長さを感じさせない力作です。

 弱小チームだった嘉義農林高校に赴任した近藤監督が、生徒たちを厳しくも公平に指導し、チームを変えていく姿が感動的です。野球ができない選手との別れや、最後の試合で涙を流す先輩たちの描写は胸を打ちます。

 近藤監督は「日本人も漢人も高砂族も、みんな同じ野球が好きな球児だ」と平等に接し、甲子園を目指す強い意志を持つ人物として描かれています。

 試合では強敵の投手との熱い攻防や、負傷したエースが「投げさせてください!」と懸命に訴え、監督が「責任は俺が持つ。思い切ってやってこい」と背中を押す、スポ根らしい熱い展開に役者たちの熱演と盛り上がる音楽が重なり、思わず涙がこぼれそうになります。

 ダム建設のシーンに流れる音楽がやや大袈裟に感じる部分もありますが、信頼し合う教師と高校球児たちの熱い関係性が心に響く、見応えのある映画でした。

☆☆☆☆☆

鑑賞日: 2014/12/23 飛行機 2015/08/16 DVD 2024/11/18 U-NEXT

監督マー・ジーシアン 
脚本ウェイ・ダーション 
チェン・チャウェイ 
出演永瀬正敏 
坂井真紀 
ツァオ・ヨウニン 
大沢たかお 
伊川東吾 
チャン・ホンイ 
ツォン・ヤンチェン 
シエ・チュンシェン 
シエ・ジュンジエ 

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