映画【ヒーローマニア -生活-】感想(ネタバレ):型破りなキャラたちが大暴れ!混沌の世界で繰り広げられる異色コメディアクション

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●こんなお話

 フリーターがめちゃ強いニートと手を組んで調子乗った若者たちに暴力で立ち向かう話。

●感想

 警察も法律もまともに機能していない混沌とした世界を舞台に、冴えない人生を送っていた主人公が、これまで自分を見下してきた人たちに次々とリベンジしていくというストーリー。テンプレ通りの調子に乗った若者たちが次々登場し、コメディ作品である以上リアリティを求めるのは違うのかもしれませんが、世界観そのものに乗り切れず、序盤からちょっと引いてしまいました。

 映画全体の土台にリアルさが欠けていた分、キャラクターたちの行動や言動にもなかなか共感できず、結果的に主人公たちにもイライラが募る時間が続いてしまいました。とくに主人公が夜な夜な不良退治に乗り出すあたりから、喧嘩が異常に強いニート、やたらと暴力的な女子高生、団塊世代のおじさんたちと仲良くなっていく展開は、一種のファンタジーとして受け入れられる人には楽しいのかもしれません。

 そして物語が進むにつれて、彼らの活動を“会社”として組織化していくあたりから、主人公がそのあり方に疑問を感じ始める…という展開になりますが、この会社の社長役として登場する船越英一郎さんが、絶妙に気持ち悪く演じていて、ある意味でその不快感は作品の狙い通りと思います。ただし、不快感が強すぎて見ていられなくなるレベルだったのは惜しいポイントでもあります。

 さらに、物語中盤で主人公が横領していた事実が発覚。実は本当に“ダメなやつ”だったことが明かされるのですが、その後の改心もセリフ一言だけで済まされてしまい、主人公への感情移入はほとんどできずじまい。ヒロイン的ポジションの女子高生も、行動が荒すぎて魅力を感じることはできませんでした。

 アクションシーンも期待していたほどではなく、迫力に欠ける上に、ドタバタ感ばかりが強調されていて、終始盛り上がりに欠けました。トンカチを全力で振り回しても誰一人死なないという、ある種ファンタジーな暴力描写が続き、現実味のなさが際立ってしまった印象です。

 全体としては、好みが分かれるタイプのコメディで、設定とキャラクターにしっかりハマる人であれば楽しめると思いますが、世界観への没入感やドラマ性を求める人にはやや厳しい内容だったかもしれません。

鑑賞日: 2017/02/26 DVD

監督豊島圭介 
脚本継田淳 
原作福満しげゆき
出演東出昌大 
窪田正孝 
小松菜奈 
片岡鶴太郎 
山崎静代 
船越英一郎 

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